ニューヨークで生まれた消費者投票によるレストランガイド「ザガットサーベイ」長野版が19日、全国で
発売される。東京都内で18日にあった記者発表会には、下條村出身のタレント峰竜太さんが登場し、
「地元の人にも新たな発見がある内容。謙虚な県民性だが、これを機にもっと長野の良さを発信して欲しい」
と期待を寄せた。
国内では東京、関西に次ぐ発刊で、地方では初めて。東京版などとは異なり、宿泊施設の評価、長野県の
特徴や食材などの情報、酒造会社や博物館などの名所リストも載せた。国内での発行・販売を担うCHINTAI
(本社・東京)は、「観光ガイドとしても十分に活用してもらえるはずだ」としている。
記者発表会で大井潤・県観光企画課長は「民間主導の評価を採り入れることで、観光関係者のサービスに
対する意識改革にもつながると思う。ETC割引や善光寺御開帳に合わせて、長野県観光を盛り上げたい」と
期待を述べた。
発刊は県側からの強い要望で実現した。県内を訪れる観光客数は91年の約1億人をピークに減少を続け、
県が実施した世論調査で観光への満足度が3〜4割と低迷。発刊を依頼した理由について、大井課長は
「消費者からの評価が反映され、発信力がある」と説明した。
村井仁知事自らが各方面に投票を呼び掛けたほか、県経営者協会など経済界も投票に協力。CHINTAIは
「約75%が地元の人からの評価。正確な情報を吸い上げられた」としている。
上信越道・中央道沿いのサービスエリアや首都圏の駅構内の書店でも販売する予定だ。CHINTAIは、
状況を見ながら2年後をめどに内容の更新も検討する考えだ。
県は09年度予算に英語版作成のために約900万円を計上した。大井課長は「増える外国人観光客にも
使ってほしい」とし、「最大限ザガットブランドを活用して誘客につなげたい」と話した。
昨年9月23日〜11月10日に実施されたネット投票では、ザガットの編集担当者が県経営者協会の協力を
得て、飲食店約360軒、宿泊施設約150軒のリストを用意。飲食店では料理、内装、サービスの3部門、宿泊
施設では部屋、サービス、ダイニング、施設の4部門を中心に、それぞれ30点満点で評価した。投票者が店を
リストに追加でき、最終的には飲食店311軒、宿泊施設110軒の情報を載せた。
有効投票者は5081人で、うち75%が地元。速報値では1万5千人近い人から票を集めたが、ザガット側が
「独自に蓄積しているマーケティングのノウハウをもとに絞った」。異常に高い点や低い点をつける人、「1年
以内に店を訪れた」という条件に当てはまらない人などを外したという。
特徴的なのは、信州名産の「そば」店が最高で24点とやや低めに出たことだ。「郷土料理」店も同じく最高で
24点と低かった。ザガット側は「食べ慣れている分、相対的に辛い評価になったのでは」とみる。
▽ソース:asahi.com (2009/03/19)
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000903190001