欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、2010年から景気が回復する可能性があるとの見方を
示すとともに、必要であれば景気てこ入れのために追加措置を講じる用意があると語った。
総裁はヨーロッパ1ラジオに対し「2009年は非常に難しい年になる」とし、「同時に、政府当局も
民間機関も2010年が緩やかな成長回復の年になるという見方で大体一致している」と語った。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、負担を伴う銀行システム救済を完了させる
政治的意思があれば、米経済が2010年から回復局面に入ることも可能との認識を示している。
トリシェ総裁は、ECBがFRBやイングランド銀行(英中銀)に追随し、景気支援を目的に国債と
いった資産を直接買い入れる可能性はあるか、との質問に「現在、われわれは、他の中銀と同じ
とは限らないが補完的措置を講じることが適切かどうか検討している」と答えた。
ECBは3月初めの理事会で、主要政策金利を過去最低の1.5%に引き下げた。アナリストや
トレーダーは、政策金利が今年半ばまでに1.0%、それ以下に下がると予想している。
トリシェ総裁は、インフレ圧力が緩和したため、ECBがこれまで極めて急ピッチで大幅な利下げを
してきたが、現在の水準が最低かどうかは決めていないとしている。
「われわれは警戒姿勢を保っている。金融政策でも財政政策でも大切なのは、必要な時に即座に
果敢な決定を下す、それと同時にECBが中長期的に物価安定を維持する能力に対する信頼感を
あらためて保証し喚起することだ」と述べた。
ECB幹部からは、政策金利がゼロになると金融政策の効果は低下するとして、追加利下げの余地は
限られているとの声がでている。
▽ソース:ロイター (2009/03/18 19:42)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37049620090318