人口が増加し、市街地の再開発も進む滋賀県草津市で、金融機関の出店競争が起こっている。
京都銀行や京都中央信用金庫が相次ぎ支店を開設。迎え撃つ地元の滋賀銀行は5月に個人客に絞った
新しいタイプの出張所を置く。メガバンク(都銀)の地盤が比較的弱かった滋賀県の土地柄も影響し、
富裕層を巡る地銀や信金の勢力争いが激しくなっている。
JR京都駅から各駅停車の電車で6駅目のJR南草津駅。西口改札を出て徒歩5分の立地に16日、
京都銀が南草津支店をオープンした。柏原康夫頭取は「周辺には他の金融機関の進出が続くが、
店舗ネットワークを駆使した面の営業で地域に深く根ざしていく」と語気を強めた。
南草津は1994年に立命館大学がびわこ・くさつキャンパスを開いてから急速に街が発展した。
駅周辺は高層マンションが林立。「開発に伴う土地の値上がりで富裕層が多数生じた」
(不動産業者)といわれる。駅西口は現在も区画整理中だ。
京都銀の新支店から道を挟んだ向かい側では、滋賀銀行が富裕層向けに特化した出張所を5月に
開設する。「証券の専門知識を持つ行員を多数配置し、高リターンを求める顧客の相談に応じる」
と話し、これまでの支店と一線を画した店にするという。
京都や大阪のベッドタウンの草津市の人口は2009年2月末で11万9600人と前年同月に比べて1.4%
増えた。10年度にも西口の区画整備が完成する南草津駅周辺は今後も人口が増加する。
5月の南草津支店に加え、8月にもJR草津駅東口に草津東支店の開業を予定する京都中央信金は
「住宅開発が進み、草津には京都から移り住む人も多い」と見る。「京都に住んでいた時から、
なじみのある当信金との取引継続を求めたい」という。
草津市はパナソニックグループなど大企業の工場や事業所が立地する。立命館大や大津市にある
龍谷大学理工学部と産学連携に取り組む優良な中堅・中小企業も多い。京都銀の柏原頭取は
「行員を重点配置して地元企業との関係を築き、貸出先を増やす」と意欲満々だ。
滋賀県は滋賀銀の勢力が強く、メガバンクがこれまでほとんど進出していなかったことも
地銀と信金の勢力争いの原因になっていた。
しかし今後は、関西アーバン銀行とびわこ銀行の合併により新銀行の親会社となる三井住友銀行も
事実上、滋賀県内に参入することになる。
草津で都銀で唯一、支店を置いていた三菱東京UFJ銀行も法人営業に力を入れ始めており、
メガバンクも含めた競争に発展する可能性もある。
ソースは
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news005575.html “南草津駅前の主な金融機関”という地図は
http://www.nikkei.co.jp/kansai/img/img000641.gif 依頼を受けてたてました。