パナソニック電工は2009年度から、中国での中層所得者向けマンションの内装事業の強化に乗り出す。
所得水準の向上や内需拡大を目指す政府の支援策導入で、今後、需要の拡大が見込めると判断。シック
ハウス症候群の防止に配慮した施工やアフターサービス充実など日本流のきめ細かな対応を武器に、
10年度に中国市場の売上高倍増を目指す。
中国ではマンションの内装は、各戸の購入者が個別に業者に依頼するのが一般的。同社は従来、
主に富裕層向けマンションを対象に、内装工事の受注と同時に洗面化粧台、システムキッチンなどの
住設商品をセットで販売するビジネスモデルで事業を拡大してきた。
しかし、昨年6月ごろから不動産市況が変化し、富裕層向けマンションの需要が伸び悩んでいることから
戦略を転換。09年度からは工事の単価を約3割下げた上で、需要の拡大が期待できる中層所得者向けの
マンションをメーンターゲットにすることにした。
世界景気が後退する中でも、中国では住宅を購入する際の支援策を政府が打ち出すことで、徐々に
マンション市場に底打ち感が出ているといい、同社が拠点を置く上海、北京など4都市で積極的に日本流の
営業攻勢をかけていく方針だ。
セールスポイントは安心と安全。中国でも関心が高いシックハウス症候群の防止につながるよう、施工時に
有機溶剤を使わない接着剤を用いるほか、工事の発注者を『プレミアム会員』として登録し、アフターサービスを
充実するなど日本の市場で培ったきめ細やかなサービスで対応する。
中国での08年度の売上高は約50億円程度の見込みだが、10年度には3000戸の内装工事受注を
目標に約100億円に倍増したいとしている。
同社は03年に中国に進出し、上海に松下電工中国を設立。07年4月には北京分公司(支社)を、08年
5月には深えん分公司と広州事務所を開設している。中国ではパナソニックよりも松下のブランドが浸透
しており、社名変更した昨年10月以降も松下のブランドで事業を展開している。
▽ソース:MSN産経ニュース (2009/03/08 01:00)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090308/biz0903080102000-n1.htm