【インタビュー】シナリオ通りの「医療崩壊」(堤晴彦:埼玉医大高度救命救急センター長) [09/02/28]

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367名刺は切らしておりまして
開業医は黒字経営できるのに、公立病院はできない。
病院は医者一人当たり、開業医よりも多くの患者が来て、高い検査も
ハードル無くできるのに、なぜか。
報酬制度の違い云々よりももっと大きな要素がある。

開業医というのは実質アクセス制限なんだよ。

昨日の愛媛地裁の判決では、来るかもどうかわかんない疾病のための
器具を備えていなかったから病院が悪い、という判決になった。
だれでもかれでも受け入れるなら、期限切れで産業廃棄物になる可能性が高い
ものも用意しなきゃならない。
四六時中誰でも彼でも受け入れるならば、その医者以外にかかる人件費も馬鹿に
ならん。
開業医ってのはアクセス制限だから、そんなコストを大幅に削減できるから商売として成立する。

そんなわけで開業医の報酬を大幅に下げても、経営努力が十分に効く。
一方、公立病院の報酬を大幅に上げても、アクセス制限が無く、無限大の医療とその
結果を求め続けるならば、いくら経営努力をしても赤字になり、医者は報酬がいくら
高くなっても逃散する。
それでもなお、開業への逃げ道を完全に閉ざそうと、タダのような診療報酬に下げたら、
公立病院に医者が居つくか?
そんなことはない。優秀な人材に医者のなり手がなくなるよ。
藪医者がはびこるだけ。