【窯業】ガラス各社は需要大幅減で設備投資削減や生産体制の再構築に迫られる (スタンダード&プアーズの業界展望)[09/02/18]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1やるっきゃ騎士φ ★:2009/02/20(金) 10:12:20 ID:???
ソースは東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/1f8b15e41601a6dedc1483551e6a7ffa/
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/1f8b15e41601a6dedc1483551e6a7ffa/page/2/

[1/3]
アナリスト 吉村真木子

旭硝子(A/ネガティブ/A−1)、日本電気硝子(格付けなし)、日本板硝子(格付けなし)などの
国内ガラス大手の収益が大幅に落ち込み、収益・キャッシュフローの減少が財務基盤にネガティブな
影響を与える懸念が高まっている。
スタンダード&プアーズは2月10日付けで、旭硝子の長期会社格付けのアウトルックを「安定的」から
「ネガティブ」に変更した。主要事業の収益が供給先の大幅減産の影響で大幅に減少しているため、
同社の財務基盤の悪化傾向が従来のスタンダード&プアーズの想定より長引く可能性があることを
反映したものである。

-ガラス各社四半期営業利益推移のグラフ-
http://www.toyokeizai.net/public/image/2009021800160042-1.jpg

■ディスプレー用ガラス基板事業の寡占化は依然メリットが大きい
2008年後半からの世界的な金融危機と実体経済の悪化による薄型ディスプレー(FPD)の大幅な
需要減退は、高収益だった各社のガラス基板事業を直撃している。旭硝子の2008年10−12月期の
電子・ディスプレー事業の営業利益は7−9月期の328億円から117億円へ、日本電気硝子の
連結営業利益も同様に306億円から111億円と急減した。

個人消費の急ブレーキに伴い、薄型テレビなど最終商品の需要が大幅に落ち込んでいるため、
ガラス基板各社は、設備投資の絞りこみや事業戦略の見直しを始めた顧客の動向を慎重に見極めて
いる。顧客の生産体制の再構築や顧客自体の淘汰が進めば、特定のガラス基板メーカーの事業基盤に
大きく悪影響を与える恐れがあるからだ。需要が回復した後も、かつてほどの高成長と高利益率は
確保できない可能性は強い。

しかし、スタンダード&プアーズは現時点では、ガラス基板事業のリスクが大幅に高まったり、
各社の市場地位・競争力が悪化しているわけではないと考えている。ガラス基板事業では、
ガラス基板市場が上位メーカーによって寡占されていることによるメリットは依然大きく、
ガラス基板事業のリスクをある程度緩和すると判断しているためである。

ガラス基板は米コーニング、旭硝子、日本電気硝子の上位3社で世界市場の9割強のシェアを占める
寡占状態にある。3社の設備投資に対する姿勢は保守的で、しかも比較的緩やかな競合状況、
新規参入の難しさ、FPD部材の内製化や代替材へのシフトの困難さなどから、一時的な生産調整は
あっても、供給過剰や稼働率の著しい低下が長期的に続く可能性は小さい。このことが各社の収益を
下支えすると考えている。

-続きます-
2やるっきゃ騎士φ ★:2009/02/20(金) 10:12:27 ID:???
-続きです-
[2/3]
■ガラス事業はさらに厳しい収益状況へ
安定的な収益・キャッシュフロー創出源だったガラス事業も、建築用板ガラス、自動車用ガラスともに
需要の大幅な減退に直面している。旭硝子、日本板硝子とも、同事業(日本板硝子は建築用・自動車用
ガラス事業の合算)の営業損益は、2008年10−12月期に赤字に転落した。
旭硝子では、収益を牽引してきた欧州事業の低迷、自動車販売の不振により、収益の落ち込みが激しい。
低付加価値の建築用ガラス、コスト削減要求が強い自動車用ガラスを抱えるガラス事業の低い収益性は、
需要の落ち込みと価格の軟化により、一段と悪化するとみられる。

建築用ガラス事業では、各社は先進国よりも、東欧・ロシア、アジアなどの新興国で需要を取り込んで
きた。しかし、北米での住宅投資の不振は言うまでもなく、各国の深刻な景気後退により、当面、
需要が回復するとは考えにくく、欧米を中心に価格の軟化も続くだろう。自動車用ガラスの需要の
低迷も続きそうだ。自動車メーカーの在庫調整に伴う大幅な減産が長引く可能性は低いと考えている
ものの、在庫調整が一巡した後も、各国の景気回復の足取りは重いと予想される。

■設備投資の大幅抑制でも、財務の改善は当面限定的
旭硝子、日本板硝子は、業績の大幅悪化を受け、設備投資を大幅に抑制する考えである。
ガラス事業での合理化を推進し、ここ数年膨らんだ運転資金の圧縮にも乗り出している。
しかし、有利子負債の削減に振り向けるフリーキャッシュフローを捻出するのは容易ではない。
旭硝子では、ディスプレーへの先行投資やカルテル制裁金を含む一時的な資金負担増の結果、
有利子負債が増加し、2008年12月期末の有利子負債に対する営業キャッシュフロー
(運転資本調整前、FFO)の比率は29.6%と、現在の格付けに照らして見劣りする水準にある。
スタンダード&プアーズでは従来、同指標の悪化が一時的なものにとどまることを想定していたが、
収益が大幅に減少する見通しであることを踏まえると、設備投資を絞り込んだとしても、
2009年12月期に改善する可能性は低い。

各社のバランスシートの悪化は続く可能性が高い。2009年度も、収益の低迷や減損・リストラ損
などの特別損失の計上や、本業の不振による収益低迷により、自己資本の積み上が限定的である一方で、
有利子負債の削減もそれほど進展するとは考えにくい。海外で積極的に事業展開したりM&Aにより
事業を拡張した結果、最近の円高進行による為替調整勘定も資本構成に大きく影響しそうだ。
旭硝子の総資本(有利子負債+純資産)に占める有利子負債の比率は2008年12月期末に前の
期末から10ポイント近く上昇して43.4%になった。当面、同比率の悪化傾向が続くとみられる。
下支えすると考えている。

-続きます-
3やるっきゃ騎士φ ★:2009/02/20(金) 10:12:33 ID:???
-続きです-
[3/3]
スタンダード&プアーズは、旭硝子の地理的に分散された事業・収益構成や、主要事業での緩やかな
競合状況、優良な顧客基盤などに支えられ、同社は引き続き強固な事業基盤を持つと考えている。
ただ電子・ディスプレー事業の収益が生産調整の緩和や需要回復などによって仮に短期間である程度
回復したとしても、ガラス事業を含む全社的な収益基盤の本格回復にはしばらく時間がかかると
みている。今後、電子・ディスプレー事業の回復の著しい遅れ、欧米建築用ガラス事業の一段の
需要減退や自動車用ガラス減産の長期化などにより、収益・キャッシュフローの水準がさらに落ち込み、
有利子負債が大幅に増加して、キャッシュフロー関連指標の悪化に歯止めがかからなければ、格下げを
検討する。一方、ディスプレー事業の収益が比較的短期間で回復するとともに、全社ベースで
フリー・キャッシュフローが安定的に創出できる見通しとなり、財務基盤の回復見通しが明確になれば、
アウトルックを「安定的」に引き上げることを検討する。

-以上です-
依頼を受けてたてました。
4名刺は切らしておりまして
旭硝子ぷ