富山県農林水産総合技術センターと県酒造組合は三十日までに、県が開発した酒米の
新品種「富(とみ)の香(かおり)」と、地元特産の植物や果実、魚介類の酵母を使った
清酒の開発に乗り出した。来年の製品化を目指しており、関係者は新しい富山の味を全国
発信するきっかけにしたいとしている。
同センターは〇六年から「富の香」を栽培しており、まろやかな味わいが酒造関係者
から好評を得ている。「せっかくの酒米の味を生かし、富山の魅力を伝える清酒を作り
たい」などの要望が寄せられたことから、新しい清酒の開発に取り組んだ。
富山の特産品を使った酵母は、これまでに南砺のキクや呉羽ナシなどから開発した。
これらの酵母と「富の香」を使って試作した結果、キクの酵母では甘酸っぱい味わい、
呉羽ナシの酵母では果実特有の甘い香りとまろやかな米のうまみがミックスした味の
清酒に仕上がった。
同センターでは、さらに射水のシロエビや滑川のホタルイカ、氷見のブリなど富山を
代表する魚介類を使った酵母を開発中で、香り豊かな「富の香」の特徴を生かした多彩
な風味が楽しめるようにする。
併せて、「富の香」の栽培面積を昨年の七・六ヘクタールから今年は十二ヘクタール
に増やす予定で、うまみがある酒にするための栽培法や醸造法の解明を進める。
同センターの瀬智之副主幹研究員は「研究員、酒造関係者の技術と富山の特産品の
魅力を結集し、県を代表する地酒ブランドを確立させたい」と話している。
ソース:富山新聞 1月31日02時28分
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20090131201.htm ※依頼あり