国内メーカーなどでつくる日本航空宇宙工業会(東京)が、航空機やロケットなどの最先端技術を
紹介する「国際航空宇宙展」の次回2012年の開催地を名古屋で調整していることが分かった。
自動車に続くモノづくりの主力分野として、航空宇宙産業の振興を目指す地元経済界などが誘致した。
工業会は、名古屋を拠点に開発が進む国産初のジェット旅客機「MRJ」の実機を展示し、日本の技術力
を海外にアピールする計画だ。
12年秋の5日間を予定し、名古屋市港区の市国際展示場(ポートメッセなごや)と、愛知県豊山町の
県営名古屋空港を主会場に検討。県や名古屋市、名古屋商工会議所、中部経済連合会などが名古屋
開催を働きかけ、工業会が3月下旬の理事会で正式に決める。
構想では、ポートメッセなごやの第2、第3展示館の計約2万平方メートルにブースを設け、国内外の
航空機、ロケットの機体・部品メーカーなど約500社が出展。環境対応型の超音速機エンジンや再使用型
の宇宙輸送システムなどを展示するほか、敷地内の駐車場を発着点に最新鋭ヘリのデモフライトを計画する。
名古屋空港では三菱重工業の子会社、三菱航空機(名古屋市)が13年の就航を目指して開発する
旅客機「MRJ」の実機展示も想定している。実現すれば一般向けの初公開になるほか、国内外の航空
会社からの受注拡大に向けたアピールの場になる可能性が高い。
東海地方はMRJのほか、23日に15号機の打ち上げに成功したH2Aロケット、米ボーイング社の次世代
旅客機「787」に採用された複合材などの製造や研究開発拠点が集中。航空宇宙関連の国内生産高の
約5割を占めるとされている。
工業会は「国内最高の生産力を誇る名古屋で国際展を開催できれば、日本の技術を世界に発信する
絶好の機会になる」としている。
▽ソース:中日新聞 (2009/01/28)
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009012802000071.html