【観光】朝ドラ特需、準備後手−埼玉県・川越 [1/14]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7c(初代biz+ 支局長)φφφφ ★
★川越/朝ドラ特需 準備後手

◇観光客増える
蔵造りの街並みで知られ、首都圏の観光地として成長を続ける「小江戸」川越。3月末には川越を
舞台にしたNHKの朝の連続テレビ小説「つばさ」の放送が始まり、「県経済の牽引(けんいん)役に」と
期待が集まる。25日、川越市長選の投開票が予定されている。観光都市の課題を現場で探った。

◇渋滞、休憩所・人材も不足
抜けるような青空の下、蔵造りの街並みは観光客でごった返していた。日曜日、通称・一番街通りの
2車線の車道は、乗用車やバスが夕方まで数珠つなぎだ。駐車場に出入りする車や道を横切る人が
しばしば際どくすれ違った。

川崎市から夫婦で来た田中匠さん(60)は「バスはなかなか進まないので歩いた方が速い。こんなに
込むと車がこわい」と顔をしかめた。

◇今年900万人の予想
予測値900万人。埼玉りそな銀行のシンクタンクがはじき出した09年の観光客数だ。市の統計で
過去20年、着実に増えてきたが、「つばさ」効果で09年は前年の推定値比250万人増と、急増が
見込まれる。

「交通渋滞だけじゃない。駐車場や休憩所、トイレなど施設面の不足が川越観光のイメージダウンに
ならなければいいが」。街づくりを担う住民らが参加する「川越蔵の会」の馬場弘・前会長は心配する。

市は2月上旬、一番街へ徒歩数分の市役所裏で車90台分の新駐車場の運営を始める。観光バスの
客の乗り降りに利用してもらい、バスの流入も減らそうとの狙いがある。

しかし、1日数万人単位で訪れる人の安全と利便性に直結する、一番街の交通規制をどうするかは
決まっていない。市は07年8月、自治会代表や学識経験者らでつくる交通円滑化方策検討委員会を
設置。07、08年11月、日曜日に交通量と車の流れを調べた。

一番街通りを一方通行にするか、一定の時間帯に歩行者天国にするか、影響を調べる実証実験は
「早くて年内」という。規制の実施には自治会の同意も必要とされ、「急増期」に間に合わない見通しだ。
原知之・蔵の会会長は「行政が商店街や自治会を調整し、まず試験的に進めないと始まらない」と
市の対応の遅れを指摘する。

◇サービス低下心配
一方、新観光施設「鏡山酒造跡地」の三つの酒蔵の改修は3月末にほぼ完了する。東武東上線
川越駅と一番街との中間の新富町1丁目にあり、イベント会場や展示場などとして、「歩いて楽しむ」
街の拠点になる見込みだ。

しかし、市が運営を任せる指定管理者を選定するための条例が制定されず、本格オープンは来年の
予定だ。暫定措置として、5月初旬から「つばさ」などのロケ地の写真やパネルの展示と、休憩所の
設置が決まった。

「暫定」のため、市は観光客の対応に、観光ボランティアとシルバー人材センターからの数人程度の
派遣を考えているだけだ。この施設を含む市全体で、もてなす人の数が追いつかず、サービスの
低下が心配される。

川越では街並み保存を住民がリードしてきた。蔵の会で住民として活動してきた、ある市職員は
指摘する。「第1世代は建物を保存し、街に人を呼んだ。これからは『人』が重要だ。第2世代は
街に住む人の魅力を含むソフトを生かして、人を呼ぶべきだ」

2009年01月14日
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000901140003