【食品】独占入手 “輸入米の蜜” 群がる官僚 (毎日放送 “憤懣本舗 ”2009/01/05 放送)[09/01/05]

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1やるっきゃ騎士φ ★
ソースは
http://www.mbs.jp/voice/special/200901/05_17299.shtml

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シリーズ『憤懣本舗』。
2009年第1弾は官僚の天下り利権、徹底追及です。
去年、食の信頼を大きく揺るがした汚染米事件の背景を取材するうちに、VOICEは
農水省の「天下りリスト」を独占入手しました。
そこから、輸入米に群がる農水官僚たちの「利権」の構図が見えてきました。

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鹿児島市内から車を走らせること30分。
人口5万人あまりの小さな町、日置市は今や全国ブランドとなった焼酎の酒蔵が
あることで知られています。

西酒造。
近年の芋焼酎ブームの火付け役とされる「宝山」を製造する酒蔵です。
全国的にはほぼ無名だった蔵元が焼酎ファンなら誰しもが知るブランドに成長した
原動力は、原料のサツマイモにあります。

<西酒造・有馬健晃工場長>
「15年前から取り組んでいる、地元で契約農家さんに作ってもらってる『黄金千貫』です」
(Q.誰がどこの畑で作ったかわかる?)
「わかりますよ。きょうはどこの誰が持ってきたか、全部わかります」

地元の農家から直接仕入れた芋だけを使うこだわり。
ところが去年、この蔵元も大変な事件に巻き込まれました。

<三笠フーズ・冬木三男社長〜去年9月>
「私が指示したことには間違いございません」

汚染米事件。
基準値を大幅に超える農薬などが残留した米が農水省から大阪の三笠フーズに払い下げられ、
食用として不正に転売されていたとされる事件です。

西酒造でも、麹に使われた米の一部が三笠から流通したものであることがわかり、
焼酎30万本の自主回収と廃棄を余儀なくされました。
しかし、実際に麹に使われた米を農水省が調べた結果は、残留農薬は基準値以下の
「シロ」。

自前の研究施設まで作り、品質管理には厳しく取り組んできただけに、
いわば、濡れ衣を着せられた今回の騒動に、社長も憤りを隠せません。

<西酒造・西陽一郎社長>
「今回は造りの姿勢を疑われたことが非常に残念で、マスコミの方もフォローはして
くれなかった。『お米が大丈夫だったよ』とかは。飲み手の方にそういった意味で
疑われたことが非常にいやだったですよね」

老舗の蔵元の信頼までをも傷つけた汚染米事件。
その背景を探ると、農水官僚たちとある業界との密接な関係が浮かび上がってきました。

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-続きます-
2やるっきゃ騎士φ ★:2009/01/07(水) 11:25:37 ID:???
-続きです-
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■輸入米に群がる「天下り利権」
大阪・茨木市にある巨大な食糧倉庫。
中国産、アメリカ産、ベトナム産。
外国産の米が所狭しと積みあげられています。
「ミニマムアクセス米」。
国産米がだぶつく一方で、日本政府が毎年、海外から輸入を続ける米です。
輸入量は年間77万トン。
その結果、大量の米が余り、一部が「汚染米」になっていたのです。

<元米卸業者・横山昭三さん>
「在庫がどんどん積みあがる。それでも政府はせっせと輸入する」

処分に持て余される輸入米。
しかしこの米で潤う業界がありました。
倉庫業界です。

<記者リポート>
「こちらの倉庫には去年3月の時点でMA米(=ミニマムアクセス米)4,400トンが
保管されています」
輸入米の大部分が保管されているのは「民間」の倉庫。
農水省から倉庫会社へ支払われる保管料は年間133億円。
この13年間で、1,254億円が保管に費やされました。
もちろん、私たちの税金からです。
ところが、不可解なことに2006年度まで入札を行わない随意契約がまかり通って
いました。

<元米卸業者・横山昭三さん>
「倉庫業界では一般に『塩漬け』って言うんですけど、入ったまま動かない。
ずっと保管料だけはきちっと入ってくる。国民にとってはおいしくない米だけども、
倉庫業者にとっては非常においしい米だったということは言えると思います」

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倉庫業界に流れた巨額の税金の裏には、あるカラクリがありました。
VOICEが入手した農水省の「天下りリスト」。
リストによると、去年4月の時点で輸入米の保管を請け負っている民間の倉庫会社
58社に対し、農水省から62人が再就職していたのです。
巨額の税金を使い、輸入米の保管を倉庫会社に委託する農水省。
その一方で、OBが大量に天下るという構図です。
天下り問題を追及してきた議員は、再就職は随意契約の見返りではないかと指摘します。

<民主党・尾立源幸議員>
「大きな保管料をもらってる会社ほど、62人の天下りを受け入れている。恐らく
数百億円の血税が無駄に支払われていたと思います」

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-続きます-
3やるっきゃ騎士φ ★:2009/01/07(水) 11:26:30 ID:???
-続きです-
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こうした天下りは業界との癒着ではないのか。
農水省に見解を求めました。

<農水省 廣田明 消費流通課長>
(Q.発注する側の人間が62人も再就職。問題ないと考えているのか?)
「一定のルールに沿ってやられたものということであれば問題ないと思っている」
(Q.倉庫会社への再就職は改めるつもりはありますか?)
「それはルールの中でやることでしょうし、また倉庫業者さんの方でそういう人材が
必要であれば、その中で再就職がなされると思う」

「天下りの受け入れと輸入米の保管の発注は関係がない」と繰り返す農水省。
そこで私たちは実際に大手倉庫会社に再就職している元農水省職員に話を聞くことに
しました。

<元農水省職員>
(Q.62人再就職されてるんですけども、業者との関係で…)
「関係ないよ」
(Q.随意契約だったのでやはり不透明なんじゃないか?)
「それはないです。そういうのは一切、農林省はやってないです」

このOBは疑惑を否定。
一方で業界との不適切な関係を認める元農水省職員もいます。

<元農水省職員・佐保さん>
「倉庫会社に行くとすれば課長クラス以上でしょうね、出先機関の。(米の)保管をする
業界に就職もお願いして、今の関係ってのは癒着と言われても仕方ない」

そしてさらに、輸入米の保管をめぐっては、農水省は天下り法人まで作っていました。
全国食糧保管協会。
民間の倉庫業者およそ560社が加盟する社団法人です。
常勤理事3人はいずれも農水省からの天下り。
そのうちの1人、専務理事が取材に応じました。

<全国食糧保管協会・南部秀満専務理事>
(Q.具体的にはどういう事業なんですか?)
「会員(倉庫会社)の委任を受けて、国とお米なり麦の保管をするための寄託契約を結ぶと」
(Q.毎年どのくらいの会費を納めてもらっている?)
「19年度では1億3,000万円ぐらいですかね」

年間1億3,000万円を倉庫会社から集める天下り法人。
このうち8,000万円が天下り役員などの人件費に使われていました。

<全国食糧保管協会・南部秀満専務理事>
(Q.会費はある意味、上納金では?)
「そんなことはないですよ。団体に入れば会費は当然どこの団体さんでも
いただきますよね。我々も当然いただいている」

とは言うものの、去年までは「協会」に加盟していないと、倉庫会社が輸入米の保管を
事実上、請け負えない仕組みになっていたのです。

-続きます-
4やるっきゃ騎士φ ★:2009/01/07(水) 11:26:37 ID:???
-続きです-
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<全国食糧保管協会・南部秀満専務理事>
(Q.発注者は農水省なんですよ。この協会も農水省のOBがこられてる?)
「確かにおります。われわれがいるからといってどうということはない」

農水省と倉庫業界が作り上げた、輸入米をめぐる天下りシステム。
地方分権推進委員を務める猪瀬直樹氏はこの組織のあり方を次のように批判します。

<猪瀬直樹氏>
「これは農政事務所からいっぱい天下り、所長クラスが行くんだろうけど、典型的な利権の
姿ですね。農政事務所を維持するためには(輸入の)77万トンは好都合な米なんだよ。
あちこちの倉庫がある。管理するだけで農政事務所の仕事ができる」
(Q.全国食糧保管協会、こういう団体は必要ですか?)
「いやいや、こんなものいらないよ」

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再び、鹿児島の西酒造。
蔵元では騒動の後、芋だけでなく、米も全量を地元から仕入れるべく、農家と契約を
進めています。
もはや、農水省の管理体制をあてにはできないからです。

<西酒造・西陽一郎社長>
「国がやらないといけないことを自分たちがやらなきゃいけなくなったりしますけども、
飲んでくれる人はお客様だから。お客様に安心してもらうにはそこまでやらないと
いけないなって思ってますよ」

-以上です-
依頼を受けてたてました。