2009年のマンション発売戸数は不振を極めた08年からは若干持ち直すものの、それでも
2年連続でバブル崩壊後の93年並みの低水準にとどまるとの見方が有力になっている。
景気悪化の影響や消費マインドの冷え込みによる深刻な販売不振が背景にある。
マンションの販売在庫は、首都圏では昨年12月以降12カ月連続で1万戸を上回り、そのうち
完成在庫が占める割合も今年4月以降5割を超える状態が続いている。また、近畿圏の販売在庫も
今年11月末時点で6168戸と03年以来の水準になっている。
このように、マンションの販売在庫数は月を追うごとに積み上がっており、
大手ディベロッパーといえども新規発売より在庫の処理を優先せざるを得ない状況にある。
不動産経済研究所が発表した「2009年のマンション市場予測」では、首都圏の発売戸数は
08年の実績見込み比11.6%増の4万7000戸、近畿圏が同じく7.6%増の
2万5000戸となっている。金融の締め付けが厳しい中堅・中小ディベロッパーの供給は
依然縮小傾向が続き、「大手ディベロッパー中心の市場に再編される」と分析している。
両圏域とも08年に比べて増加する見通しとなっているが、それでも首都圏が2年連続の4万戸台
(08年実績見込み4万2102戸)、近畿圏が同じく3万戸割れ(同2万3231戸)の見込みだ。
前年比増加の要因としては、先行指標となるマンション着工が08年7月から(近畿圏は8月から)
上向きに転じてきたことと、大型の住宅ローン減税の効果が期待できることなど。
ここ数年人気を集めてきた超高層・大型物件の供給はリスクも伴うことからひと息つき、
100戸規模の中型物件にシフトしていくとしている。
エリア別の内訳は、東京都区部が1万7000戸と08年実績見込み比で10.6%増となるなど、
首都圏では全エリアで増加する見込み。また、近畿圏では前年に2けた減少した大阪市内の供給が
増加するほか、その他のエリアでもほぼ横ばいで推移すると予測している。
一方、販売価格については、基本的にはグロスに重点を置いた抑制基調で推移し、秋口ごろからは
用地費や建築コストの下げを反映した物件も登場するとしている。
このように09年のマンション市場を展望すると、かつてのような年間8万戸といった大量供給時代は
完全に終わりを告げ、生き残りをかけた厳しい競争の時代に入ったことが分かる。
マンションが販売不振に陥った最大の理由は発売価格の上昇だ。08年1―11月の首都圏の
平均価格は4863万円と、一般サラリーマンが購入可能な上限価格(年収の5倍で約4000万円)
を20%以上も上回っている。市場の本格的な回復は秋口ごろから登場する“新価格”物件に期待が
かかるが、その前提として、当面は完成在庫を中心とした継続販売中物件の価格水準が注目される。
ソースは
http://www.asahi.com/housing/column/TKY200812260079.html 依頼を受けてたてました。