信用収縮を切り抜けて生き残るため、ロシ アの新興財閥らは、ロシア政府が提供する780億ドル
(約7兆円)規模の融資を 求めて列を成している。プーチン首相にとっては、政府が国内の
大企業に対する 支配力を強化する好機となっている。
新興財閥らが政府を支援し、旧ソ連産業界の所有権を獲得してから12年。 財閥と政府との形勢は
逆転している。ロシア中央銀行によると、同国のブラジル、 インド、中国での負債総額は倍増
しており、ロシア企業は2009年に償還期限を 迎える総額約1100億ドルの対外債務を抱えている。
このため、100人を超える 経済界のリーダーらが、プーチン首相やメドベージェフ政権からの
融資の争奪戦 を繰り広げている。
ロシア企業にとって、商品相場の下落と、1998年のロシアのデフォルト (債務不履行)以来
最大のルーブルの下げが足かせとなっている。露経済界リー ダーらの対外債務は過去3年間で
3倍に拡大。これらの企業は自社株の一部を政 府による支援に対する担保としている。
プーチン首相は既に資産家のロマン・ア ブラモビッチ氏、オレグ・デリパスカ氏を支援しており、
パイプメーカーTMK のドミトリー・プンピャンスキー会長のほか、鉄鋼メーカー、セベルスタリの
ア レクセイ・モルダショフ最高経営責任者(CEO)、持ち株会社システマのウラ ジーミル・
イェフトゥシェンコフ会長による支援要請についても検討している。
資産家のアレクサンドル・レベージェフ氏(49)は8日のインタビューで 「新興財閥の一部は、
確実に資産を失うだろう。政府か投資家に没収されるとみ られる」と予想。「財閥は借り入れが
過剰となっており、所有企業の売上高は減 少している」との見方を示す。
ロシアの新興財閥は共産主義の崩壊後、政治的影響力を強め、資産を膨らま せた。財閥らは
90年代、政府への融資提供により大手企業の支配権を握ること ができる政策を利用したが、
この融資が返済されることはなかった。
ロシア株2億2000万ドル相当を運用するクラリデン・ロイ(チューリヒ) の資産運用担当者、
ジナ・プシオラ氏は「大手企業に対する融資が1年以内に全 額返済される可能性は極めて低い。
新興財閥の一部は新興財閥ではなくなってし まうだろう」との見方を示した。
ソースは
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=ae08HyyIbOMg&refer=jp_japan 依頼を受けてたてました。