【インタビュー】景気後退でも2ケタ成長できる―スティーブ・バルマー=マイクロソフト最高経営責任者[08/12/16]
大きな体に大きな身振り、そしてとびきり大きな笑い声。入ってきたとたん、部屋は一瞬にして熱気に
包まれた。エネルギーの塊ともいえるスティーブ・バルマーCEOは、冷静沈着に戦略を説明したかと思うと、
ライバルの話には鷹のように目を鋭く光らせる。取材を受けながらも、時にヒントや留意点を黄色いメモ用紙
に書き記していく。一瞬たりとも気を抜かない。
グーグルの台頭、クラウドコンピューティングへの対応、盟友・ビル・ゲイツ氏の引退――。目下、
バルマー氏がすべての情熱を傾けるマイクロソフトはかつてない大きな変革の時を迎えている。パソコンの
覇者は、どんな方策でクラウド時代も勝ち抜くのだろうか。
―10月末発表の「ウィンドウズアジュール」はマイクロソフトにとって転換点といえますか。
外部から見たらそうかもしれませんね。ただ内部では長いこと取りかかっていたテーマです。実際の
転換点は3年前でした。
私たちの考えでは、コンピューティングには四つの柱がある(下図のチェック部分)。クラウド、データセンター、
パソコン、携帯電話。将来的にはテレビもあります。マイクロソフトはクラウド向けのアジュールを発表した
ことで、すべての分野でプラットフォームを用意しました。
―パソコンとデータセンターでは強いが、携帯電話では劣勢です。
確かにパソコンでは90%以上のシェアを持つ。データセンターではシェア65〜70%は占めているが、
パソコンほど強くはない。携帯電話でのシェアはシンビアンが1位で、ウィンドウズモバイルは2位です。
ほかにもたくさんのOSがある。しかし、ここはまだ新しい市場です。
クラウドでの最大の競合はアマゾン。グーグルにはプロダクトがないので、本当の意味でのプレーヤー
とは考えていない。マイクロソフトはあらゆるところで1位になることを目指します。
―クラウド時代にはアマゾンがライバルですか。
アマゾンは優秀な会社だが、基本的に彼らはリテーラー。ハイテク業界の中核企業となる使命があるのか
どうかわからない。アジュールはマイクロソフトのコアミッションに直結するが、書籍販売の会社にとっては、
はたしてどうか。
マイクロソフトの場合、コアビジネスの一部がクラウドに移っていくことになる。クラウドにも力を入れなければ
大事なビジネスを失ってしまうわけです。
―数年後にはマイクロソフトの収益の中心はクラウドサービスに変わっているのでしょうか。
そうはならない。きちんと努力すれば共食い現象にはならないはずだ。クラウドサービスは高い成長を
するかもしれないが、それでもウィンドウズはどの製品と比べても収益性が高く、最大の収益源であり続ける
でしょう。それと「オフィス」だ。戦略ミスをしなければ、クライアントOSとビジネスソフトの2部門が、これから
先もマイクロソフトの収益柱です。
―近い将来、クライアントOSの成長が止まる可能性は?
ありえない。ただ、すでに規模の大きい事業であり、高い成長率の実現は困難。中国での海賊版を撲滅
できれば、成長率の高い事業になりますが……。
▽ソース:東洋経済 (2008/12/16 12:30)
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/ee5805ed550faa6406b81d454cf11627/page/1/ 記事は
>>2以降に続きます。
>>1の続きです。
―中国に毎月行くべきですね。
私が行くことで海賊版がなくなるのであれば、何回でも行きます。日本や米国ではウィンドウズの海賊版
はほとんどない。日本はパソコンにあらかじめ組み込む販売が主体のため、偽の「オフィス」もほとんどない。
ところが、米国では「オフィス」の海賊版が多い。海賊版は、頭の痛い問題です。
―「オフィス」でのライバルはグーグルですか。
グーグルの「ドックス」や「スプレッドシート」はあまり成功していませんよ。それはデータを見れば明らかです。
―グーグルは9月に独自開発したブラウザ「クローム」を発表しました。
グーグルは優秀なライバルだし、彼らにとってもわれわれが競争相手です。スポーツでは最大の防御は
攻撃と言うがビジネスも同じ。検索では追う立場だが、われわれが強みを持つ分野には彼らが一生懸命
勝負を挑んできます。
―使ってみましたか。
私の13歳の息子がクロームを使って「父さん、心配することないよ。(マイクロソフトの)インターネット
エクスプローラーのほうがずっといいよ」と。「(モジラの)ファイヤーフォックスのほうがクロームより優れている」
とも言っていました。
―昨年の取材では、かなりグーグルを警戒していたように思う。今回は「グーグルはマイクロソフトの基盤を
揺るがすような敵ではない」と言わんばかりですね。余裕があるように聞こえます。
グーグルはよき競争相手であると評価し、尊敬しています(笑)。ただ、われわれは自分たちの能力にも
自信を持っているし、彼らの強敵になるだろう。確かに検索の分野ではグーグルはかなりの強敵。でも、逆に
マイクロソフトが強みを持つ「オフィス」「シェアポイント」、そしてブラウザの分野ではマイクロソフトは彼らに
とってかなり手ごわい敵のはずです。
―2009年6月期の業績予想を下方修正しました。景気減速の影響を厳しく見ているということだと思うの
ですが、参入障壁の高いマイクロソフトのような会社は不況の影響は受けにくい?
正直に言って現段階では景気がどこまで悪化するか予測しづらい。ただ、消費が減ればパソコン販売に
影響を与えるし、企業の設備投資が減ればパソコンとサーバーに影響を及ぼす。ビジネスリーダーたちに
尋ねると、すでに設備投資は減らし始めている。特に日本や米国ではIT投資が設備投資の半分を占めており、
われわれはその影響を受けます。
―下方修正後も、2ケタ成長を目指しています。
ベストを尽くします。修正した売上高予想では下限で前年比7%増にとどまるが、上限では10%と2ケタ
成長をあきらめていません。2ケタ成長を目指します。
記事は
>>3以降に続きます。
3 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 00:35:13 ID:FUHvlVI6
割れユーザーから金を巻き上げる話か?
XP賞味期限切れ計画だろ
>>2の続きです。
―08年7〜9月期の業績を見ると、クライアントOS事業の伸びが鈍化しましたが、これはビスタへの転換が
進まず、今でもかなりウィンドウズXPが売れていることと関係があるのでしょうか。
基本的には二つの要素がある。まず第一に、パソコンの売り上げが真っ先に景気後退の影響を受けた。
それから、同じパソコンでも安価なパソコンの成長が著しく、これはマイクロソフトにとっては収益の低いビジネス
であること。あるいは、中国のように海賊版の多い、まったくマイクロソフトの収入につながらないところが伸びて
いることも影響している。日本の場合、パソコン市場は横ばいか少々下降傾向ですが、例外的に低価格パソコン
のネットブックは好調。ただ、ネットブック経由のマイクロソフトへのロイヤルティ収入はほかに比べて低いのです。
―ネットブックで使われているOSはXPです。
そうです。ハードウエアの機能が不十分なので、最新OSは動かせない。しかし、クライアント事業の売り上げ
はビスタのマイナス面を反映したものではない。ビスタは好調だが、市場環境が期待していたほどよくなかった
ということです。
◆PERの計算では保有現預金を除外せよ
―次に株価の話を伺いたい。マイクロソフトの株価は現在約22ドルで推移していて株価収益率(PER)は
11倍程度。ライバルのグーグルやアップルはPERが20倍ぐらいありますが、そうした市場の評価をどう
とらえていますか。
グーグルの成長率はマイクロソフトを上回っているので、PERがより高いのは納得のいく話だ。
アップルはちょっと違う。アップルの分析の仕方はもう1通り考えられる。アップルの今現在の時価総額は
800億ドルで保有現預金は200億ドルです。となると、実際の価値は600億ドル。600億ドルを純利益で
割ればアップルのPERは10倍台になります。それに対して、マイクロソフトのキャッシュは250億ドルで
実際の価値は1750億ドル。これでPERを比べれば、それほどの差はない。
石油会社を除くと世界には時価総額で天井を形成している最強の会社は三つある。マイクロソフト、GE、
ウォルマート。これらの会社の時価総額は今や2000億ドルですが、相場が回復すれば、また上がります。
―GEにはウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハザウェイが出資を決めました。
バークシャー・ハザウェイの時価総額は1770億ドルです。
時価総額ではマイクロソフト、GE、ウォルマートが3強ですが、利益で見ればトヨタ自動車、マイクロソフト、
GEが3強です。トヨタの昨年度の税前利益は220億ドルだったと記憶しています。トヨタのPERはマイクロ
ソフトよりもっと低いが、それは自動車産業に新規性が少ないから。しかし、偉大な会社であることに変わり
ありません。
―株式市場から高い評価を受けてきたグーグルですが、その収益源は広告です。景気変動の影響を受け
やすいと思うのですが。
確かに広告は景気変動の影響を受けやすい。ただ、検索連動広告が登場してから不況が訪れたことは
ないので、どの程度の影響があるかは今後を見なければわからない。
記事は
>>4以降に続きます。
5 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 00:36:09 ID:FUHvlVI6
>—近い将来、クライアントOSの成長が止まる可能性は?
もう止まってます。
新しいOSをお求めの方はMacOSXをお求めください
>>4の続きです。
―マイクロソフトの広告収入への影響は。
年間30億ドル規模の広告収入があり、まだ成長していますが、間違いなくプレッシャーはかかっています。
グーグルと異なり、われわれはディスプレー広告をかなり販売している。ディスプレー広告は、検索連動の
ように直接店舗へのクリックを促すダイレクトレスポンス型ではなく、ブランドイメージ広告です。だから景気
後退の影響は大きく受けるはずです。
―現在アメリカではグーグルが70%の検索シェアを握っています。ヤフーを買収できれば広告事業の状況は
変わっていたでしょうか。
ヤフーの20%を加えれば30%のエンドユーザーを握ることになるので、広告主のほとんどはわれわれの
キーワード広告のオークションにも来るはず。それによってエンドユーザーがまた増え、そしてさらに広告主が
増えていく、という好循環が雪だるま式に始まるはずです。
検索サービスの質を上げるにはより関連性の高い検索結果を出さなければいけないが、広告もその結果の
一部です。より広告主が多ければ、より関連性の高い広告を出すことができる。先日、『The Bank Job』
という映画のタイトルを検索したところ、グーグルでは映画関連の広告が出ましたが、マイクロソフトでは「銀行
口座を開設したいですか」という広告が出てきた。グーグルのほうが同じ検索ワードに対して入札をする広告主
が多いので、より関連性の高い広告が表示されるわけです。
―ヤフー買収への再挑戦は。
ないでしょう。1株当たり33ドルでの買収を彼らは拒否したのです。だから、それよりも低い価格で受け入れる
かどうか。それより、検索上でのパートナーシップという方法を見いだせるかもしれない。そちらに期待しています。
―ところで、最近のマイクロソフトは慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の活躍もあり、かつての傲慢な
イメージから社会貢献に熱心なイメージに変わってきた。これは戦略ですか。
財団はビルの仕事で、わが社との連携はない。ただ、社会に対するビルの思いやりが、マイクロソフトの
よい印象につながっていることは事実だと思います。
記事は
>>6以降に続きます。
7 :
台風0号φ ★:2008/12/17(水) 00:37:40 ID:???
>>6の続きです。
―ビジネスソフト部門を率いていたジェフ・レイクスさんは財団のCEOになりました。
彼とは今でもいい友人で、交流があります。女房同士も友人です。
―バルマーさん自身は慈善事業に興味はありますか。
将来的にはやりたいことも出てくるかもしれないが、これからまだ何年も勤めなければならないし、マイクロソフト
と家族のこと以外はあまり考えている余裕がない。それから、時としてゴルフと(笑)。
―グーグルは尊敬すべきライバルとおっしゃった。IBMは?
彼らも尊敬には値する。ただ、彼らは何というか非常に奇妙(ファニー)です。新製品を発表しているわけでも
ないし、古い製品を更新しているわけでもない。クラウドに適したサービスはあるのだろうが、製品があるのかと
いうと見当たらない。
―クラウド時代にはメインフレームの「システムZ」の処理能力と安定性が見直される、というのがIBMの考え方です。
その可能性はまったくない。クラウドでメインフレームが活躍する場などない。メインフレームはもはや時代
遅れ。本当にクラウドを考える人たちに対して、IBMはそんなことを言えないはずです。
マイクロソフトが「ソフトウェア・プラス・サービス」と言っているのも、場合によっては時代遅れに聞こえるのかも
しれない。だが、われわれはそれがクラウド時代の近代的なアプローチであることを必ず実証してみせます。
−以上です−
9 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 00:38:40 ID:FUHvlVI6
広告ビジネスは下火か破綻だね。
日本ははっきり言って広告ビジネスは失敗してる。
大本営はインセンティブが異様に高いので成り立っていたわけだが
この不況で日本並みの料金にした場合確実に破綻する。
>>8 > 大きな体に大きな身振り、そしてとびきり大きな笑い声。入ってきたとたん、部屋は一瞬にして熱気に
>包まれた。
このフレーズ見るとそれが一番最初に頭に浮かぶな。
12 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 00:59:20 ID:AheBTN+r
IE6>FireFox>Chrome>IE7,8
はっきりいってIE6が最強。
最近のMSはOSからOfficeまですべてにおいて糞。
んでもって「オフィス」ももう終わり。
ODFの登場で完全に駆逐されるか、低価格販売を余儀なくされる。
少なくとも、政府機関がODFを採用するから
民間はOfficeを買わなくてよくなったww
>>12 いいえ、いろんな意味でOffice 2000が最強です。
MSがコンシューマー市場から撤退したら、IBMやSUNみたいな会社になんのかな
15 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 01:17:45 ID:sVecRjII
MSにばかにされるgoogle笑
そりゃXPサポート打ち切りと宣言してしまえば
2ケタ成長間違い梨だぞ
17 :
名刺は切らしておりまして:2008/12/17(水) 01:43:42 ID:lx1q6L+y
ソフトさえ対応してれば、誰もOSの買い換えなんかしねえよ。
>>12 IE6のような真性クソブラウザが最強ってことはないだろ……。
遅い、不安定、標準非準拠の三重苦。
IE6のシェアが未だ高いなんてのは悪夢だわ。
せめてはやくIE7以降にメインシェアが移ってほしい。
Macbookなのかw
KeyNote使ってプレゼンしてるからな
嘘ばっかり。
マイクロソフトは終わり。
Vistaの失敗が転換期で、今は後退気。
成長できるかではなく、現に退行してる。