米ケーブルテレビ(CATV)大手のチャーター・コミュニケーションズ(Nasdaq:CHTR)は、
債務の借り換えあるいは株式との交換に応じるよう、一部の債権者を説得することを試みる
予定という。事情に詳しい関係筋が明らかにした。
自己資本比率の低いチャーターは、深刻な信用収縮の中で資金繰りが厳しくなっている。
中核事業に強さの兆しがみられるにもかかわらず、210億ドルに上る負債、およびそれに
関連する利払いにより、破産申請に追い込まれる危険性がある、と一部の格付け会社は
指摘している。
契約者ベースで米CATV業界4位のチャーターは12日、債権者との交渉でラザードの助言を
受けていると明らかにした。関係筋の話では、同社は破産専門の法律顧問として
カークランド&エリスと契約したとのこと。また、創業者のポール・アレン会長は、投資銀行
ミラー・バックファイアー、法律事務所スカッデン・アープス・スレート・マー&フロムを
含むアドバイザーと契約した。アレン氏は米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)の共同創業者
でもある。
ミラー・バックファイアーとスカッデン・アープスからコメントは得られていない。ラザードとカークランド&エリスはコメントを控えた。
チャーターはラザードの助言を得て、フィデリティ、フランクリン、キャップ・リを含む、
自身の社債の大量保有者からなるグループを集めはじめ、これら企業に対し、向こう数週間以内に
デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)について話し合う準備をするよう伝えたという。
資本構造が複雑なため、社債保有者らはアドバイザーや弁護士を雇い、交渉のために少なくとも
幾つかの委員会を設ける必要が出てくるもよう。
チャーターは1990年代、借り入れで調達した資金による一連の買収を通じて積極的に拡大を
遂げたが、信用市場の凍結で深刻な打撃を被った、とアナリストらは指摘する。
スタンダード&プアーズ(S&P)のアナリスト、ツナ・アモビ氏は、「この環境でいかに
かじ取りするか、厳しい試練に向き合っている」と語る。チャーターによると、12日時点の
現金および現金等価物の残高は9億ドルとのことだが、一方で210億ドルの負債を抱えており、
そのうち71億ドルが向こう5年以内に返済期限を迎える。アモビ氏は「経営陣には一息つく
余裕もない」と述べた。
さらに、同社は流動性を高めるため、安値での資産売却を検討しなければならなくなるかも
しれない、とアモビ氏は指摘した。
チャーターの社債はディストレスト水準で取引されており、これは投資家が同社の将来について
懐疑的であることを示している。投資銀行のロバート・ベアードによると、2011年満期の同社の
社債は、額面1ドルに対して50セント前後で取引されているが、別の2つのチャーター社債は
同20セントで取引されているという。
ソースは
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCNX8901.html 依頼を受けてたてました。