東京を拠点にヘッジファンドに助言する東西インベストメント・アドバイザリーが事業を閉鎖する。
同社のシニアパートナー、アンガス・マッキンノン氏が8日のインタビューで明らかにした。市場での
損失や投資家の償還請求で、同社のファンド資産がピーク時の7000万ドル(約65 億円)からゼロに
落ち込んだことが背景という。
マッキンノン氏が東京で答えたところによると、東西が助言するトライデント・パシフィック・ジャパン・
アブソリュート・リターン・ファンド(ケイマン諸島)は11月に閉鎖した。2004年12月にスタートした同ファンドは、
株価上昇と下落の両局面で利益を目指す「ロングショート」の戦略で、日本株に投資していた。
世界のヘッジファンド業界は今年、パフォーマンスが過去最悪となる勢いで、これまでに80社余りが
ファンド清算や資産分離、償還制限などを実施している。ケネス・グリフィン氏が設立したヘッジファンド会社、
シタデル・インベストメント・グループ(シカゴ)は8日、東京の事務所を閉鎖し、12人を削減する方針を
明らかにしている。
マッキンノン氏は「事業の閉鎖手続きに入っている。これまでわれわれのように生き延びようとした会社
が多くあったが、事業を続けることが不可能になった」と語った。同氏のほか、東京でほかに1人、シドニー
で1人が失職するという。
米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの9月の破たんをきっかけに金融市場は混乱し、世界の株式
時価総額は年初来で51%減の30兆ドルとなり、日本でもTOPIXは45%下落した。マッキンノン氏によれば、
リーマン破たんで、同社に融資や取引決済などを頼っていたヘッジファンド会社には激震が走った。
同氏は、日本のヘッジファンド業界は幾分堅調だったものの、世界市場の動向によって、閉鎖を余儀
なくされるファンドは増えると予想した。
シンガポールに拠点を置く調査・出版会社のユーリカヘッジによると、対象を日本に特化して投資する
ヘッジファンドは10月現在で237本(運用資産は計約184億ドル)。2003年10月時点では約150ファンド
(同約110億ドル)だった。
▽ソース:Bloomberg (2008/12/09 12:36)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=ajNMUrVhTZ10&refer=jp_home ▽関連スレ
【投資】ヘッジファンドのシタデル・インベストメント・グループ、アジアの投資事業と東京事務所閉鎖へ[08/12/08]
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1228731583/l50