【保険】業界初!“保険の原価”を開示したライフネット生命に怨嗟の声[08/12/08]

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554名刺は切らしておりまして
◆マネックスメール 12/10(水)◆
 3 岩瀬大輔の 目からウロコの保険塾
第10回 生命保険の「タブー」を開示しました
 この連載の第4回で、典型的な死亡保険(かけ捨て型の定期保険)の「付加保険料」(生命保険料のうち事業の運営経費に充てられる手数料の部分)が
「3割から6割」推定されていることを書きました。
 一般に死亡保険の付加保険料がこのように高いとすると、証券仲介や、投資信託商品を選ぶ際には、必ず手数料が重要な比較ポイントとなるように、生命
保険の契約者の皆さんは「付加保険料が安い保険会社を選ぶ」ということが、重要なポイントとなります。
 もっとも、この手数料部分は、生命保険業界では開示することはいわば「タブー」とされ、公表されることはありませんでした。
 しかし、住宅を購入する場合、手数料は必ず明示されます。銀行の窓口で投資信託や変額個人年金保険を購入する場合も、尋ねれば手数料を教えてくれま
す。だとしたら、なぜ生命保険業界だけは手数料を開示しないのでしょうか?
 生命保険は他の商品と比べ、売り手である保険会社と買い手である消費者の間の情報格差が大きいことを考えると、付加保険料が開示され、お客さまの判
断材料を提供することはとても大切であると思います。
 そこで、私たちライフネット生命は、11月21日に、インターネット等を介して直接販売する保険商品に関して、お客さまからいただく保険料のうち、付加
保険料率がいくらかを全面開示に踏み切りました。
 具体的には、死亡保険(定期)「かぞくへの保険」を例に挙げると、30歳男性、保険期間10年、保険金額3,000万円の場合、月額保険料3,484円のうち、
815円(23%)が保険会社の運営経費に相当する付加保険料となっています。
 日本経済新聞(2008年12月4日)ではすぐにこのニュースを『生命保険の「原価」わかります−ライフネット生命が開示』という見出しで、
「透明性を高めるとともに、営業職員を持たず経費を抑えられるネット生保の強み」と伝えました。
 また、AERA(2008年12月8日号)でジャーナリストの山田厚史さんは、死亡保険を「素うどん」、特約を「うどんのトッピング」に例えて、保険商品
から特約を全廃した当社を指して「素うどん専門」と呼んでいます。曰く「ライフネット生命は他のうどんと比較する情報を公開した。さあ大手はどう応え
る。立ち食いうどん屋でも、イカ天やキツネの値を表示しているぞ」ともコメント。
 ダイヤモンドオンライン(2008年12月8日)は、
「ただでさえ収益が悪化している生保各社には、価格引き下げ競争になりかねない付加保険料の開示は避けたい事態。そのため「余計なことをしてくれた」
と怨嗟の声が上がっている。だが、金融商品の手数料開示は世界的な流れ。いつまでも非開示のままではいられないだろう。」とまとめています。
http://mail.monex.co.jp/?4_39495_89562_12
 今回の動きをきっかけに、透明性が決して高いとは言えなかった生命保険業界にも、大きな情報公開の波が訪れ、ひとりひとりのお客さまが最適な保険選
びをできる時代が来ることを、切に望みます。
岩瀬大輔
ライフネット生命保険株式会社 取締役副社長
ハーバードMBA留学を経て開業したのは、生命保険会社!
http://mail.monex.co.jp/?4_39495_89562_13