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トマト栽培による農業振興を目指し、旧三郷村(現・安曇野市)などが出資した第3セクター「
三郷ベジタブル」(現・安曇野菜園、会長・西山馥司副市長)は、経営改善計画に沿って、
販路拡大などに取り組んでいる。第5期(2007年9月〜08年8月)決算では、改善の
兆しが見られたものの、売上高は計画を下回っており、再建への道はこれからだ。
■設立
01年、大手スーパーの元幹部、山崎毅氏らが「農業生産法人でトマトを栽培する。用地買収に
協力してほしい」と、村に申し入れた。大手食品会社カゴメ(名古屋市)への流通経路が確保され、
住民約100人を雇用するとの触れ込みだった。村は協力することに決め、地権者との会議や
他県の視察など準備を進めた。
山崎氏の計画では、温室などの施設の建設費約20億円のうち10億円を国の補助金で賄い、
残る10億円は、土地や将来的に建設される建物などを担保に、金融機関から借りる予定だった。
しかし、金融機関はこの案を拒否した。
そこで村は、補助金や起債などで20億円を調達し、村が施設を建設した上で、第3セクターに
貸し出す方式に転換。03年11月、資本金6050万円のうち、3100万円を村が出資して、
三郷ベジタブルを設立した。
社長には、山崎氏を迎えた。当時、村長だった西山副市長は「村にはトマト栽培について何の
知識もなく、山崎氏には販路や流通についてノウハウがあった」と説明する。
■不振
同社の生産施設は04年夏、本格稼働。だが、「機械頼みで、温度や日照調節など、夏場の
ハウス栽培に対する技術力が不足していた」(元村農林商工課長の三沢賢二専務)。
カゴメの規格にあわせて3種類のトマトを生産し、一定の価格で販売するという契約だったが、
規格を満たして引き取ってもらえるのは8割程度。品種によっては、夏場は3割しか売れない
こともあった。光熱費など栽培コストが増大しても売値に反映できない契約のため、第4期
(06年9月〜07年8月)決算では約2億4600万円の当期損失を計上、債務超過額は
2億5700万円に達した。
市への施設使用料は、一度も支払われていない。また、村が金融機関と2億2500万円を
限度とする損失補償契約を結んでいたため、同社が破綻(はたん)した場合は、市が損失をかぶる
ことになる。同社の借入金は、08年7月時点で約2億円だ。
続きます。 ソースは
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20081201-OYT8T00805.htm