パリ(ダウ・ジョーンズ)仏米通信機器大手アルカテル・ルーセント(NYSE:ALU)(ALU.FR)は26日、
ユベール・ド・ペスキドゥ最高財務責任者(CFO)が同社を去ると決断した、と明らかにした。難問を
抱えた同社は、9月に最高経営責任者(CEO)に就任したベン・ヴァヴァイエン氏の下で経営陣の
刷新を進めている。
パトリシア・ルーソー前CEOがCFOに指名したペスキドゥ氏は、「ほかの機会を追求するため」に、
17年間勤めたアルカテルを離れることを決めた。後任CFOにはポール・トゥファノ氏が12月1日付で就く。
トゥファノ氏の前職は米電子機器受託製造(EMS)大手ソレクトロンのCFO(2006年1月 -07年10月)および
暫定CEO(07年2月-10月)。ソレクトロンは07年、シンガポールの同業大手フレクストロニクス・
インターナショナル(Nasdaq:FLEX)に買収された。
ここ約1年間で、アルカテルのCFOを辞任するのはペスキドゥ氏が2人目となる。前任者のジャンパスカル・
ボーフレ氏は07年末、業績予想の下方修正を相次いで発表後に辞任した。
エクサンBNPパリバのアナリストは、ペスキドゥCFOについて、ボーフレ氏が在任中に自らを脅かした
ような大幅な業績見通し引き下げは避けたものの、コスト削減を十分なペースで進めることはできなかった、
と指摘した。
ペスキドゥ氏の後を継ぐトゥファノ氏は、国際金融の分野で30年の経験を持つ。同氏は米ディスクドライブ
メーカー、マクスターのCEOやCFOを務めたほか、米IBM(NYSE:IBM)では財務や事業運営にかかわる
要職を歴任した。
ヴァヴァイエンCEOはプレスリリースで、トゥファノ氏について「通信機器業界について幅広い知識を持ち、
金融業界での評価も高い幹部。同氏の専門的経験は、当社の収益性を長期的に向上させる助けになるだろう」
と述べた。
ヴァヴァイエン氏は、すでに新たな幹部を数人迎え入れ、経営組織を改変している。
同CEOは、アルカテルが保有する仏防衛電子機器大手タレス(12132.FR)株20.8%について、仏航空宇宙
大手ダッソー・アビアシオン(12172.FR)への売却に向けた交渉にも着手した。この動きは、非中核資産の
売却が流動性ポジションを強化するとして、投資家に歓迎されている。
ヴァヴァイエンCEOは12月前半に同社の活動に関する戦略的見直しの結果を発表する予定。
エクサンのアナリストは「同CEOがアルカテルを別の方角に進めようとしているのは明らか。事は起こりつつ
ある。聖域はない」とコメントした。同氏はアルカテル株の投資判断を「アウトパフォーム」としている。
パリ市場で取引されている同社株の26日終値は、前日比0.03ユーロ(1.87%)安の1.63ユーロ。流動性懸念
のほか、通信機器業界の見通しの悪化が重しとなり、年初来では約65%下落している。
▽ソース:NIKKEI NET (2008/11/27 20:58)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCNE4902.html
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