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http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081119/177755/ http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081119/177755/?P=2&ST=news [1/2]
インドでは今後、数年にわたり電力改革が大きく進展する見通しだ。言うまでもなく、電力は
一国の経済を循環させる大事な血流だ。これまで、インドの電力事情は心もとなく、むしろ
経済発展の足かせとなってきた。
インド政府は深刻な電力不足を解消するために、気の長い対策を展開してきた。第1に、多様な
アプローチによる発電能力の強化。第2に、送配電効率の向上。第3に、原子力、水力など
代替エネルギーの開発である。
■30%の電力が途中で失われている
この中で特に重要なのが、第2の送配電効率の向上だ。インドの送電ロスの高さは、
ナイジェリアやニカラグアと肩を並べる水準だ。インドでは発電した電力の30%が流通過程で
消失しており、そのレベルは中国やパキスタンにも劣る。
隣国のパキスタンでは送電ロスは26%程度であり、中国では信じがたいことに7%という数値が
公表されている。国土があれだけ広いロシアでも12%である。ましてや西側諸国の平均6〜8%と
比べるまでもない。さらに、日本とドイツではなんと4%にとどまっている。
インドでは1%の損失が生じると60万〜70万キロワットの発電ロスにつながり、年間では
50億ドルの損失となる。いくら、発電能力を強化しても送電ロスがあれば元も子もない。
それだけに、各種の電力改革計画の中でも送電システムの改善が焦眉の問題となっている。
こうしたインドの送電ロスについて、技術面から指摘すると、その4〜5%程度は比較的低圧の
電力(13万2000〜40万キロワット)を長距離伝送することから生じる。低圧送電では、途中で
熱や電磁エネルギーとなって電力が失われるのだ。
■料金不払い、盗電も頭痛のタネ
しかし、より大きい問題は、商業的な損失である。電力の計量が精緻でないことから発生する
損失、さらには料金の不払いによるものだ。そこで、政府はこうした原始的なロスを含めて
状況を改善するため、2001年に送電効率向上のための緊急改善計画(APDRP)を立ち上げた。
もっとも、2007年までに送電ロスを15%に削減することになっていたが、この中央政府の
計画は未達に終わっている。その理由は、一部の消費者による盗電、各州政府が実施している
農家向け電力の無料化や送電設備の老朽化の影響がある。
こうした問題に各地方政府は、様々な対策を施しつつある。北部のハリアナ州では、
農家向け電力は補助金を直接支払うことで支援しており、これによって実際の電力消費や
盗電の実態が把握できるようになった。
-続きます-
4兆円...
全部日本で受け持ちたい