地場3行の7〜9月期決算が出そろった。最大手DBSグループ・ホールディングスが7日発表した
第3四半期決算は、純利益が前年同期比38%減の4億200万Sドルだった。世界的な金融混乱の
影響で取引が落ち込み、各行とも市場予測を下回る減益となった。DBSは業績悪化を受け、
過去最大規模の900人を解雇する。
DBSの純利益はUOB銀行の4億7,500万Sドル(5%減)を下回った。OCBC銀行は13%減の
4億200万Sドル。経常収益(売上高に相当)はDBSが13億9,800万Sドルで9%減少。一方、
UOB(9.6%増)、OCBC(9.4%増)は増収基調を維持した。
DBSの純利息収入は2%増の10億7,100万Sドル。金利マージンが5ポイント減の1.99%まで
下がったものの、融資額が前期比で8%増加した。米リーマン・ブラザース関連商品などの
特定取引を含むその他の非金利収入は87%減の1,100万Sドル。金利、有価証券市場などの
短期的な変動、市場間格差などを利用して利益を得る特定取引は、1,300万Sドルの損失を
計上した。負債の評価損は4倍の3億1,900万Sドルに膨らんでいる。リーマン関連商品の
払い戻し・補償に7,000万Sドル、リスクの高いデリバティブ(金融派生商品)の損失負担に
1億2,900万Sドルを計上した。
手数料収入は前年同期比22%減の3億1,600万Sドルと2けたの落ち込みを示した。
市場に連動した金融商品の手数料収入が大幅減となったことが主因。投資バンキングが
65%、ファンドマネジメントが60%減少したほか、株式売買、富裕層向け資産運用も不振
だった。
営業支出は11%減。賞与カットで人件費が46%減少した。
地域別では、シンガポールが純利息収入、非金利収入ともに前期を下回った。金利マージン
低下や金融取引の低迷が足を引っ張った。香港は富裕層向け資産運用が不調だった。
グループ全体の融資総額は21.8%増の1,292億Sドルで、地場3行の中では最も多い。預金総額も
15.4%増の1,664億Sドルとなり、UOBの1,131億Sドル、OCBCの947億Sドルを上回った。
不良債権比率は前年同期の1.2%から1.3%に上昇した。一方、UOBは2.3%から1.5%、
OCBCは2.1%から1.3%に改善している。
■DBSは900人解雇
DBSは7日、行員全体の6%にあたる900人を解雇すると発表した。過去最大規模の人員削減と
なる。リーマン関連を中心とした金融商品の評価損拡大で、業績が大幅に悪化したことを受けた
もの。
英トムソン・ロイターによると、対象となるのはシンガポールと香港事業が中心。
リチャード・スタンレー最高経営責任者(CEO)は決算発表の席上で、「解雇はすべての部門、
役職が対象となる。今後数年で組織のスリム化、経営合理化を図るためにも人員削減は
避けられない」と話した。DBSは2001年に200人を解雇している。
ソースは
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081110-00000003-nna-int 依頼を受けてたてました。