英バークレイズ・キャピタルによれば、カナダ・ドルは向こう3カ月で10%下落する見通しだ。世界的な
成長減速に伴う商品の値下がりや、新興市場国からの資金流入の減少を理由に挙げている。
バークレイズは、カナダ・ドルが今後1カ月で1米ドル=1.24カナダ・ドルまで下げ、3カ月で1.31カナダ・
ドル、半年で1.30カナダ・ドルになると予測。通貨ストラテジストのスティーブン・イングランダー氏は、7日付
の調査リポートで、向こう1年では1.28カナダ・ドルに下落する見込みだと述べた。バークレイズは、カナダ
資産に対する需要が今後減少し、資金流入が細ると予想されることを理由に挙げている。
原油相場の値下がりを受けて、カナダ・ドルは10月28日、4年ぶりの安値となる1米ドル=1.3017カナダ・
ドルを記録。原油は、2007年のカナダの輸出収入の10%を占める。
イングランダー氏はカナダ・ドルについて、「商品価格や他の商品通貨の動きと一致していない」と指摘。
「カナダ経済が世界的な商品価格の急落や経済活動の落ち込みに反応するなか、カナダ・ドルは今後
著しく値下がりする」との見通しを示した。
カナダ・ドルは、過去3カ月間で9.6%下落。同じ商品輸出国の通貨では、オーストラリア・ドルが23%、
ブラジル・レアルが25%それぞれ下げている。
イングランダー氏はまた、「資本流出の可能性を増幅させているのは、カナダの長期資産への最近の
投資の多くが新興市場国の投資家からのものだという事実だ。自国通貨が圧力にさらされるなか、新興
市場国の投資家らは、比較的素早くレパトリ(自国への資金回帰)に動く可能性がある」と説明している。
▽ソース:Bloomberg (2008/11/10 15:58)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=aoLAYz_8gS6M&refer=jp_us