ドルとウォンの不足で金融市場パニックを招いた銀行業界が、今度は健全性悪化の懸念で
韓国経済に大きな負担を与えている。
時が経つほど企業倒産の可能性が拡大し、不動産価格急落の可能性も排除できない状況になって
おり、銀行の健全性問題は韓国経済の新たな「潜在的雷管」に浮上している。銀行側としては、
健全性悪化を防ぐため中小企業や個人向け融資を自制したり回収する可能性がある。これが
企業倒産と個人破産を招き、再び金融機関に衝撃を与えるという悪循環が発生しかねない。
また、第二金融では貯蓄銀行だけでなくローン会社、クレジットカード会社、保険会社なども
資金調達で窮地に追い込まれている。
金融業界と監督当局が9日に明らかにしたところによると、景気不振の長期化で企業と個人が
苦境に陥り、銀行の第3四半期収益性を最悪の状態に追い込んだ。これが銀行の健全性に
影響を与え始めた。
国民銀行の国際決済銀行(BIS)基準の自己資本率は、第2四半期の12.4%から第3四半期は
9.7%に落ち込んだ。新韓銀行は12.5%から11.9%に、外換銀行は11.5%から
10.6%に、中小企業銀行は10.4%から10.1%に、それぞれ下落した。
固定以下与信比率は国民銀行が0.12ポイント、ハナ銀行が0.18ポイント上昇し、延滞率は
ウリィ銀行が0.13ポイント、ハナ銀行が0.17ポイント、それぞれ上昇した。
これを受け国際的な格付け機関は、国内銀行に否定的な評価を下している。ムーディーズは
先月29日、SC第一銀行の財務健全性格付け見通しを「肯定的」から「安定的」に変更したのに
続き、今月7日には外換銀行の信用格付け見通しを「安定的」から「否定的」に下方調整した。
先月1日には国民、ウリィ、新韓、ハナ銀行の4行の格付け見通しを「安定的」から「否定的」に下げている。
ハナ金融研究所のチョン・ジュンホ研究委員は、銀行そのものは不良債権が積み重なっている
状態ではないが、景気沈滞が長期化すれば、潜在不良は拡大するしかないと話す。特に、
銀行業界は第2金融圏と食い合っているため、小さなショックで意外な危険が重複する可能性も
あると指摘する。
政府と金融当局はこのため、銀行に高金利特別販売預金の販売自制、増資、配当抑制などを
通じた健全性向上を注文している。
一方、第2金融圏では、貯蓄銀行だけでなく他業態の業者も信用収縮などで困難にあえいで
いる。ローン会社は主要資金源の会社債と企業手形(CP)、資産担保証券(ABS)などの
発行が滞り、餓死直前に追い込まれている。カード会社は債券金利が8%半ばまで跳ね上がり、
発行規模も先月は前月比25.6%減少した。保険会社も債券や株式など保有資産の価値下落の
あおりで、保険金支払能力を示す支払余力比率が下がり、資本拡充に乗り出している。
韓国投資証券のアナリストは報告書で、金融業界の潜在リスク資産を301兆ウォンと推定して
いる。ハナ大投証券は、景気沈滞が続けば消費が減り企業が苦難に陥る可能性があり、これが
銀行の健全性を害するという問題が生じると話す。政府は持続的な利下げなどで資金膠着
(こうちゃく)を解消する努力を傾けるべきだと主張した。
ソースは
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081109-00000017-yonh-kr 依頼を受けてたてました。