カラオケは、代表的な屋内娯楽の一つ。だが、レジャーが多様化するなかで、利用者は減る
傾向にある。関連企業は独自のサービスを提供したり、新しい形態の店を開いたりして顧客を
引き付けようと知恵を絞っている。
通信カラオケ業界2位のBMBは9月から、自分が歌っている姿を動画で撮影して携帯電話
で見たり、録画専用のDVDに保存して持ち帰ったりできるサービス「UGA(ウガ)着メロ工房」
を本格的にスタートさせた。
動画は、このサービス用の端末につないだ専用カメラで撮る。撮影中や撮影後に映像を液晶
画面で見て、その場でも楽しめる。さらに、インターネット上の動画サイトに送信して公開したり、
歌手を目指すためのオーディションを受けたりすることも可能だ。
同社の楮(かじ)修常務は「店を出てからもカラオケの楽しさ、余韻を味わってもらうことで、
固定客を増やしたい」と導入理由を語る。
現在、カラオケを楽しむ人は減少傾向にある。全国カラオケ事業者協会(東京)の推計による
と2007年に1回でもカラオケを利用したことのある人は、前年より約1%少ない4670万人
だった。1990年代半ばのピーク時には、6000万人近かったので、約20%減った計算だ。
理由は娯楽スタイルが変わりつつあることだ。業界関係者は「中学、高校生といった若年層は
携帯電話の通信料などにお金を使い、カラオケを楽しむ回数が減ったようだ」と分析する。
さらに「団塊の世代」が定年を迎え始めたことで、社会人の世代交代が加速。上司や得意先と
お酒を飲みに出掛けた後、カラオケを楽しむというサラリーマンも減りつつあるそうだ。
以前のように「最新の曲がいち早く歌える」というだけでは顧客の増加が望めない状況になって
いる。
レストランとカラオケが一体化した店舗を展開するシダックス・コミュニティーは、カルチャー
講座専用のスペースを設けた新しいタイプの店舗を9月に千葉県八千代市にオープンさせた。
同社は、これまでカラオケ用の施設を利用してカルチャー講座を開いてきた。新タイプ店舗
周辺でカルチャー講座の人気が高かったため、フラダンスやバレエなどのレッスンに使える
大型スタジオルームやピアノ専用ルームなど広いスペースを持つ店を設けたという。
同社の広報担当者は、「これまでも90カ所でバレエや英会話などの講座を提供してきたが、
専用スペースを置くことで、地域の人たちがいっそう集まりやすい施設にしようと考えた」と話す。
画像:「UGA着メロ工房」の端末を設置したカラオケボックス(中央左の黒い物が専用カメラ)
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200811010053a1.jpg ソース:フジサンケイビジネスアイ
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200811010053a.nwc