【自動車】クライスラー、GMとの合併の場合「4工場閉鎖も」 米社予測[08/10/31]

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・関連記事:合併で7万4000人失職 GM・クライスラー 工場半数が閉鎖の恐れ

 米自動車最大手GM(ゼネラル・モーターズ)とクライスラーの合併が合意に至れば、7万4000人
が職を失い、中小規模の関連工場の約半数が閉鎖される可能性があることがわかった。会計事務所
グラント・ソーントンが10月30日に発表した報告書で衝撃的な見通しを公表した。

 報告書では、合併が実現すれば、クライスラーの乗用車・トラックは7車種を除いて全車種が生産
停止になる可能性を指摘。ピックアップトラック「ダッジ・ラム」やミニバン、「ジープ」の一部モデルだけ
が生産を継続できる見通しだ。

 グラント・ソーントンの自動車事業再編部門トップ、キンバリー・ロドリゲス氏が同日行ったプレゼン
テーションによると、合併によりクライスラーは、すでに発表済みの25%の人員削減を上回る2万
4000人の削減に迫られるという。内訳は管理部門と製造部門で半々の見込みだ。残る5万人の
削減は部品会社で行われる見通し。

 さらに運輸業や広告業ほか諸産業を含め、10万〜20万人が失業に陥る可能性もあるという。

 クライスラーが資金繰りに窮して破産手続きに入り、生産停止に陥れば、米自動車業界はほぼ
壊滅状態。部品メーカーの大量倒産というシナリオも予想される。現実味は薄いが、そうなった場合
は「相当な雇用が失われる」とロドリゲス氏は指摘した。

 ロドリゲス氏は合併の実現には、新会社のバランスシート強化のための資本増強が不可欠と指摘。
その上で「(合併は)必ずしも最善策ではない。しかし、最善策と言わざるを得ないのが残念ながら
現状だ」と語った。

 米自動車メーカーにとって、2008年は、自動車販売が極度に不振だった1993年以後では最悪
の1年として歴史に刻まれることになりそうだ。燃料価格高騰で大型車の販売は落ち込み、信用不安
で自動車ローンの審査も一気に厳しくなるという、まさにダブルパンチ状態。

 自動車産業が盛んなミシガン州およびデラウェア州、ケンタッキー州、オハイオ州、サウスダコタ州、
ニューヨーク州の知事らは、ポールソン財務長官およびバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)
議長あてに10月29日付で書簡を送付し、自動車産業の流動性を改善させるため「即時の行動」を
求めた。

ソース:フジサンケイビジネスアイ
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200811010050a.nwc