【経済政策/中国】株式市場安定に配慮。空売り解禁延期、香港も禁止か［08/10/30］

　２９日付香港紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストは中国金融当局が１１月に予定していた株式の
空売り解禁を先送りする見通しだと報じた。すでに空売りを解禁している香港でも禁止される可能性が
あるという。

　中国は今月５日、株価下支え策の一環として、１１月からの信用取引解禁に合わせ空売りを試験的に
導入する方針を明らかにしていたが、報道によると、中国当局は空売りが株式市場の不安定要因を増幅
させかねないと懸念している。

　一方、香港証券先物取引委員会（香港ＳＦＣ）は２８日、現地金融機関に立ち入り調査を行い空売りに
関係する書類の提出を求めたという。同紙はこの動きを香港が空売り禁止に向け大きく舵を切った根拠
としている。

　中国の株価指標、ＣＳＩ３００指数は、世界規模でのリセッション（景気後退）の波が中国製品に対する需要
を減退させるとの観測から、アジア主要市場で最大となる年初比６８％の下落率を記録。香港のハンセン
指数の年初比下落率も５５％に達し、アジア全体の株価の動きの目安となるＭＳＣＩアジア太平洋指数の
年初比下落率（４８％）を大きく上回っている。

　運用資産１２６０億ドル（約１２兆２８００億円）を抱えるシンガポールの証券会社、クラリデン・ルー・ＡＧ
アジア部門のマイケル・フー氏は、中国の空売り解禁延期について「高リスクの商品や長期投資に対する
関心が低下しているなかで、空売りが相場に大きく影響するとの懸念が背景にある」と分析。この上で「短期的
には市場への信頼感回復に役立つだろうが、対症療法にすぎない」と指摘した。

　中国証券監督管理委員会（ＣＳＲＣ）と香港ＳＦＣから今回の報道についての談話は得られなかった。
アジア各国では、２８日に貸株契約などを結ばない空売り禁止措置を１週間前倒しで実施した日本をはじめ、
オーストラリア、韓国、台湾、インドネシアなどがすでに空売り規制を実施している。

　また英紙フィナンシャル・タイムズは２９日、中国保険監督管理委員会（ＣＩＲＣ）が大手国営保険会社の
幹部らに対し、金融市場安定に向け協力を要請したと報じた。ＣＩＲＣは保険各社に対し「長期的な」投資
戦略に重点を置き、中国資本市場の安定成長に貢献するよう求める内容の声明を発表した。


▽ソース：FujiSankei Business i Bloomberg　（2008/10/30）
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200810300021a.nwc
▽関連スレ
【経済政策】空売り規制の強化を10月30日から正式実施へ、株の手当てない売り付けを禁止=金融庁［08/10/29］
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1225342072/l50

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