戸田建設と西松建設は、超高層RC造建物の新しい解体工法を共同開発した。昇降機能の付いた
作業足場に機械を載せ、上から順次解体していく手法を採用することで、タワークレーンや
全面足場をかけずに施工できるのが特色=図参照。設計強度が100ニュートン/平方ミリの
超高強度コンクリートを使った建物でも、破片が飛び散らない切断工法を用い、安全に作業が
行えるようにした。試算では、従来工法に比べて工期を15%短縮、コストを12%低減できる
という。需要増が見込まれる超高層建物の解体技術として提案していく。
新工法の開発に当たっては、戸田が開発し、5件の実績がある「チムリス煙突解体システム」を
応用。建物に全面足場をかけずに作業が行える「自昇降式足場兼養生枠」を建物に取り付け、
作業の進行に合わせて油圧ジャッキで下に降ろしていく手順で解体を進められるようにした。
躯体外周部の解体には、複数の方法の中から、安全面や施工能率を考慮して切断工法を採用。
切断に戸田の「NEOカッター工法」、切断部材の把持に西松の「フォーク式支保工」を
それぞれ用いて能率を高める。躯体内側の解体には、施工能率の良い大型油圧圧砕重機を活用
する。切断・圧砕した解体材の小割や、コンクリートガラと鉄筋の分別は、建物内部の
吹き抜けに磁選機付きの昇降式大型クラッシャーを装備して実施。解体材の搬出時に振動や
粉じんの発生を抑える工夫も施した。
国土交通省のまとめによると、国内にある高さ60メートル超の超高層建物は2527件。
うち、戸田、西松両社が手掛けた建物も172件ある。築40年を迎えるものもあり、老朽化
した建物をいかに安全・効率的に解体するかは重要課題になっている。
両社は、互いの保有技術を持ち寄ることで今回の新手法を開発した。
ソースは
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=200810230103001 依頼を受けてたてました。