ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゴールドマン・サックス・グループは、全従業員
3万2500人の約10%を削減する用意をしている。関係筋が明らかにした。ウォール街での失業が
さらに増えることを示している。
この従業員削減は、ゴールドマン全体が対象になるとみられ、巨大証券会社でさえ16カ月に及ぶ
信用危機でどれほど大きな打撃を受けたかを浮き彫りにしている。JPモルガン・チェースに買収
されたベアー・スターンズや、9月15日に米連邦破産法11条の適用を申請したリーマン・ブラザーズ・
ホールディングスのような壊滅的な過ちは犯していないものの、ゴールドマンは、投資銀行業務や
トレーディング業務の枯渇で苦戦している。
9月に銀行持ち株会社に移行したゴールドマンはここ数カ月、同社と顧客のために同社の資本を
あまりリスクにさらしたくないと考えていた。このため、今後の利益も減るとみられる。
同社の従業員数が過去最多となっていた9月、デビッド・ビニアー最高財務責任者(CFO)は、年内
の同社の従業員数は横ばい、または増加するとの見方を示唆していた。だがその後、信用危機が
深刻化し、ゴールドマンは人員削減を余儀なくされるようになった。
ウォール街の人員削減の波は今後数カ月にわたり、さらに大きくなるとみられ、証券会社やヘッジ
ファンドなど幅広い業態に及びそうだ。英バークレイズは、米国の従業員を少なくとも3000人削減
する予定で、同社が買収したかつてのリーマン北米部門も対象になる。
米メリルリンチでは、バンク・オブ・アメリカに買収されることに伴い、全従業員6万1000人のうち
数千人が職を失うとみられる。メリルはすでに今年、全従業員の5%を削減している。
関係筋によると、メリルのアジア部門の債券・株式トレーディング担当者約75人が今週、職を失った。
事情に詳しい筋によると、この人員削減は、世界で実施されたトレーディング担当者約500人の
削減の一環だったという。
9月に銀行持ち株会社に移行したモルガン・スタンレーでは、8月末時点の従業員数は1年前に
比べて約3%減少し、4万6383人となっていた。
ゴールドマン株の22日終値は、前日比6.29ドル(5.18%)安の115.06ドル。その後の時間外取引
では下げに転じ、終値比0.43%高の115.49ドルで取引された。
ソース:ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ 10月23日15時12分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000020-dwj-biz