2015年度91基 国内最大級基地に
中部電力グループのシーテック(名古屋市瑞穂区)が、三重県の津市と伊賀市にまたがる
青山高原一帯で風力発電設備を運営し、設備の増強を進めている。風力発電は、1基あたりの
発電出力が低いことなどから、国土が狭い日本では米国などよりも普及が遅れたが、最近は環境に
優しい発電方式として脚光を浴びている。青山高原一帯は、91基が完成する2015年度の
発電出力は計15万2000キロ・ワットと、「日本最大規模の風力発電基地」になる見込みだ。
シーテックが青山高原の一角にある津市の「ウインドパーク美里」に設置した8基では、直径
80メートルの大型風車が、地上60メートルの高さに据え付けられている。
強い風に恵まれる標高約800メートルの青山高原の南西〜北西方向の約10キロ区間には
現在、こうした風力発電が計32基(計3万4000キロ・ワット)点在している。シーテック
本体が設置した8基のほか、昨年に子会社化した「青山高原ウインドファーム」(津市)の
20基(計1万5000キロ・ワット)や、津市所有でシーテックが保守を受託している
「久居榊原風力発電施設」の4基(計3000キロ・ワット)が稼働している。
シーテックはさらに一帯に「ウインドパーク笠取」を造成中で、10年2月と11年2月に
計19基(3万8000キロ・ワット)を運転させる計画。また、青山高原ウインドファームは
40基(8万キロ・ワット)を増設して15年度に運転を始める計画だ。
発電した電力は中電に販売する。全基が運転を始めれば11万世帯分の電力をまかなうことが
できる計算だ。大手電力会社の標準的な発電と比べ、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素
(CO2)の排出量を年間15万トン削減できるという。
中電本体も、09年8月〜11年度の運転開始を目指し、静岡県の遠州灘沿岸部など3地点で
計5万キロ・ワットの風力発電所を計画中だ。他電力に比べて火力発電への依存度が高い中電は、
グループ会社を含めて自然エネルギーの活用を徐々に進めている。
ソース: 読売新聞 2008年10月21日
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/ckei081021_1.htm (株)シーテック
http://www.ctechcorp.co.jp/