今年の秋冬は、ファーやダウンなどモコモコとした素材やデザインのファッション
アイテムが注目株だ。全身のどこかにボリュームのあるアイテムを取り入れれば、
秋冬らしい装いになるうえ、スタイルが良く見えるという利点もある。
モコモコ感に「着ぶくれして太って見える」という苦手意識がある人も、上手に
着こなして、今年ならではのおしゃれを楽しんでみてはいかが。
◆ワンポイントに
有楽町マルイ(東京都中央区)の3階に入るオリジナルブランド「タスタス」では、
ファーベストが人気だ。ベストとしてだけでなく、袖ぐりの部分に本体を通して
襟巻きにもなるのが特徴。多い日で1日10着前後が売れる。綿のワンピースや
ナイロンのブラウスなど、素材の違うアイテムと合わせて楽しむ人が多いという。
また、ニットコートもフード部分に着脱可能なファーがついたタイプがファーの
ないものより動きがいいという。
同店リーダーの木村絵理さんは「ファーは着るだけで秋らしい印象になるし、温かい
ので一日の寒暖差がある今が一番便利。全体の1、2カ所にモコモコを取り入れると、
メリハリが効いてバランスがよくなる」とアドバイスする。
有楽町マルイでは、靴やバッグもファー使いの商品が好調。ブーツは内側に毛足の
長い織物が施されたものが多い。ブーティーやニーハイブーツなど丈はさまざまだが、
どれも履き口を折り返して履ける。販売スタッフの斎藤ちひろさんは「ファー部分の
見せ方を調整でき、一足で幅広い服と合わせられる」とすすめる。
バッグも昨年より約3週間早く、ハラコ(子牛の毛)も含め5000〜3万円の
計約30種類のファー使いのバッグを並べた。20〜40代の幅広い女性に売れているという。
◆定番のダウン
米国の「Gap」は今年、ダウンベストを全面改良し、軽くて温かいダウンの比率を
羽毛全量の90%にアップ。ファー人気もにらみ、ラビットファーのベストを初めて
売り出した。
「今年は薄手の服を重ねて着るレイヤードが主流。ベストをシャツやセーターの上から
重ねるのが今年らしい」とギャップジャパンPRの小神野直子さん。11月にかけ、
フェイクファーを全体に使ったブーツやトートバッグも展開する予定だ。
◆下着も登場
モコモコ人気は下着にも及んでいる。全国154店舗で若い女性向けの靴下と下着を
展開する「チュチュアンナ」(大阪市)では、生地の外側にフェイクファーを使った
ブラジャーとショーツのセット(1995円)を販売中。10代や外国人観光客にも
人気で、下着として使うだけでなく、ワンピースやドレスの胸元に少しだけファーを
見せる女性が増えているという。
インナー責任者の木田圭子さんは「ファーの肌触りの心地よさに加え、セーターの下に
着けるとファー部分がバストを大きく見せる効果があるのでスタイルをよく見せたい人
にも受けている」と話す。
モコモコ系の代表格、ダウンジャケットで約100パターンのデザインをそろえる
フランスの「モンクレール」。PR担当の鈴琢磨さんによると、4年ほど前から
チュニック風や、袖やウエストを絞るなどした凝ったデザインが定着し始めたという。
鈴さんは「温暖化で一時、ダウンの需要は減ったが、最近はデザイン性の高いものが
増え、ファッションアイテムとして見直されている」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081019/trd0810190846005-n1.htm