ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米半導体大手のマイクロン・テクノロジー
(NYSE:MU)は9日、従業員を15%削減するリストラ策を発表した。半導体メモリー価格の
大幅下落と景気減速が半導体メーカーに大きな打撃をもたらしている。
アイダホ州ボイシに本社を置くマイクロンは、リストラの背景として、NAND型フラッシュ
メモリーの需要減退と供給過剰を挙げた。NAND型フラッシュはデータ保存用にiPodやデ
ジタルカメラ、そのほかのデバイスに使用されている。
NAND型フラッシュの販売価格は現在、製造コスト、特に直径200ミリメートルのシリコン
ウエハーを使った旧来型の製造ラインでのコストを「大幅に」下回っているという。
同社のスティーブ・アップルトン最高経営責任者(CEO)は、信用危機の影響により、同
社の一部大口顧客の支払いが遅れていることを明らかにした。「先週、大口顧客の1社
から、支払いができないとの連絡を受けた」と述べた。社名は明らかにしなかった。
こうした問題の結果、IMフラッシュ・テクノロジーズとして知られるマイクロンと米インテル
(Nasdaq:INTC)の合併会社は、ボイシの200ミリ生産ラインでのNAND型フラッシュの生産
を中止する。この動きにより、同合併会社の生産量は約15%減少する。同合併会社は、
ユタ州およびバージニア州の工場で300ミリのシリコンウエハーを使用したNAND型フラッ
シュを生産している。300ミリのウエハーは半導体製造の単価コストを減らす傾向にある。
人員削減は向こう2年かけて行われる予定で、ボイシ地域を中心に実施される。アップ
ルトンCEOによると、同社の従業員数は約1万9000人。15%の人員削減でおよそ2850人
の従業員に影響が出ることになる。
DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)などの半導体は引き続
きボイシで製造する予定。
ほかの半導体メモリーメーカーも赤字を出しており、その多くは、アップルトンCEOの言葉
を借りれば「これまで見たことのないペース」で生産能力を縮小している。
マイクロンは、コスト節減策により、来年の費用は1億7500万ドル以上減少すると見積も
る。また退職手当およびそのほかリストラ費用を6000万ドルと予想する。同社は、人員削
減を当初は自発的退職プログラムを通して実施する予定としている。
ソース:日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCKU2314.html