[東京 9日 ロイター]
新生インベストメント・マネジメントと大和証券投資信託委託が一部の新興国株ファンドの購入・解約の
申し込み受け付けを停止した。実質投資先の新興国の株式市場が機能不全に陥り、基準価額が算出
できなくなったためで、米国発の金融市場の混乱が世界に広がった影響が国内の投信市場にも出ている。
新生インベストメントは8日から「新生・フラトン・VPIC」62006281JP.LPの新規購入と解約の申し込みを停止した。
同ファンドはベトナム、パキスタン、インド、中国の株式に投資する外国投資信託に投資するもので、パキスタン
株式市場が流動性の減少により適正な株価を算出できない状態になった影響で、外国投信の受託会社が
ファンドの購入・解約を停止。それに伴い「新生・フラトン・VPIC」の購入・解約の受け付けも取り止めたという。
また、同社は9日、「新生・トロイカ・ロシアファンド」62006624JP.LPの購入・解約の受け付けを停止すると
ウェブ上で公表した。8日に受け付けた分についても約款に基き取り消す。同ファンドはロシア株式に投資
する外国投信に投資しているが、ロシアの主要証券取引所RTSの取引停止により、外国投信が市場実勢を
反映した適正な価格の算出をできなくなったことが理由としている。
同社はロシアの証券取引所が取引を停止した9月半ばにも同様の措置を取った。
大和投信も9日、「ダイワ・ロシア株ファンド」62006449JP.LPと「ダイワ新興4カ国株式ファンド(ダイワSMA専用)」の
購入と解約の申し込みを停止するとウェブ上で公表した。同社も9月に同様の措置を取っている。
世界の金融危機による影響としては、9月半ばに、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の関連会社が発行する商品指数連動債券を組み込んだコモディティ投信に
ついても同様の事態が起きた。
AIGへの信用不安拡大による影響で連動債が適正に値付けされず、関連の投信についても適正な基準価額を
算出できなくなったとし、AIGインベストメンツなど運用各社が購入・解約の受け付けを一時停止した。
■ソース
ロイター (
http://jp.reuters.com/ )[2008年 10月 9日 19:50 JST]
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK017708920081009