学内で生まれた研究成果を基に起業した関西の大学発ベンチャーがモノづくりで
実績を上げ始めた。携帯電話の装飾用に採用された天然木材のパネルや、歯の
インプラント(人工歯根)治療に役立つソフトなど分野は様々だが、技術一辺倒でなく、
市場のニーズを意識した製品づくりを進めたのが特徴。大学発ベンチャーの起業数は
減少基調で、こうした成功例をいかに増やしていけるかが地域経済底上げの課題だ。
大阪市のゼロワンプロダクツ(樋口伸一社長)は今年3月、ソフトバンクの携帯電話
向けに高級木材の黒檀(こくたん)を使ったパネル用シートの供給を始めた。皮目など
複数ある表面デザインのなかで最も人気が高いといい、2000年の設立以来、最大のヒット
商品となった。
自然の木目の美しさを身近な製品に使えるようにと、化粧品会社出身の樋口社長が
アイデアを発案。乾くと繊維部分がもろくなる薄い木材の欠点の克服に、龍谷大
理工学部の技術を利用して繊維にウレタンなどを入れ込んだ。運転席パネルの素材
として自動車メーカーからも引き合いがあるという。
アイキャット(大阪市、西願雅也代表)はあごの骨に義歯を直接埋め込むインプラント
治療用のシステムを販売。実際に治療している大阪大歯学部の歯科医師が開発した。
適正な角度、深さで義歯を埋め込むためのドリルなどの器具を、患者の治療部位に
合わせてCAD(コンピューターによる設計)で個別に作る。
インプラント治療は入れ歯に比べてかみ応えがよく、需要が高まっている。義歯の
売上高も年10%以上のペースで伸びており「現場の需要を見込みやすかった」(西願代表)
という。
大阪電気通信大学生まれのX線技術研究所(大阪市、志村尚美社長)は水銀などの
物質を2分以内で検出できる同大の技術を応用して、小型重金属検査装置を開発した。
従来の装置は屋内設置型が大半だが「持ち運びできるようにすれば様々な検査需要に
応えることができる」(志村社長)と考え部品を小型化。中国製品の有毒物質検出で
製品の安全性に対する関心が高まっていることもあり、今期の売上高は3割以上増える
見通しという。
ソース: 日経ネット関西版 2008/10/04
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news002551.html 企業:
ゼロワンプロダクツ(大阪市、樋口伸一社長)
http://www.zeroone-pro.com/ アイキャット(大阪市、西願雅也代表)
http://www.icatcorp.jp/ X線技術研究所(大阪市、志村尚美社長)
http://x-tec.jp/ 関連情報:
経産省 大学発ベンチャー創出・成長促進について(大学発ベンチャーに関する基礎調査)
http://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/startups.htm ※依頼ありました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1221911615/674