ECB=ヨーロッパ中央銀行は、2日に開いた理事会で金利の据え置きを決めましたが、
トリシェ総裁は、今後の市場の動向によっては金利を引き下げる考えを示唆し、
先月中旬から始まった金融危機に対応するため、初めて利下げに言及しました。
ヨーロッパ中央銀行は2日、インフレへの懸念が根強いとして、政策金利を現在の
年4%で据え置くことを決めました。理事会のあとの記者会見で、トリシェ総裁は、
「金融市場の混乱で、先行きの不透明感は、かつてないほど強まっている」と述べて、
金融危機が景気に与える影響に強い懸念を示しました。
そのうえで、金利の据え置きが決定された今回の理事会では、あわせて金利の
引き下げも協議されたことを明らかにし、今後の市場動向によっては利下げを行う
考えを示唆しました。
先月中旬から始まった金融危機に、日本、アメリカ、それにヨーロッパの中央銀行は、
金融市場に大量の資金を供給することで対応してきましたが、トリシェ総裁は、
先進国の中央銀行として景気を下支えするため、利下げの可能性に初めて言及したものです。
一方、こうした発言を受けて、通貨ユーロは大きく売られ、2日の外国為替市場では、
一時、2年3か月ぶりとなる1ユーロ・144円台までユーロ安が進みました。
▽News Source NHK ONLINE 2008年10月3日 6時31分
http://www.nhk.or.jp/news/k10014499521000.html http://www.nhk.or.jp/news/K10044995211_01.jpg ▽ECB: European Central Bank
http://www.ecb.int/