今年12月末に全線廃線が確定する第三セクターの高千穂鉄道(社長=内倉信吾・
高千穂町長、TR)。来年1月にも土地や駅舎などの寄付を受ける沿線自治体では
「列車ホテル」や「鉄道記念公園」など跡地の活用策を探る動きが始まった。
一方、住民の足を守ろうと、高千穂線復活を目指す高千穂あまてらす鉄道
(高山文彦社長)は、来月に開く支援コンサートで「復活への機運を盛り上げたい」
と模索を続けている。
17日の日之影町議会一般質問。中心市街地の活性化策を問われた津隈一成町長は
TRの車両について、「日之影温泉駅に移送し、簡易宿泊施設やカフェに改装
したい」と答弁。列車2両を譲り受け、線路の活用も含めた鉄道公園構想を示した。
同駅にある温泉施設やレストランと連携し、観光客を呼び込む狙いだ。
町は跡地利用を巡り、今年4月に庁舎内検討委員会を設けて議論してきた。
そこで浮上したのが「列車ホテル」。町内には旅館が2軒しかないため、
集客増につながると期待する。改装すれば1両に4、5部屋は可能という。
また同駅周辺の線路上に、自分で運転できるトロッコを遊具として走らせる案や、
線路を撤去して森林セラピーと連携したサイクリングロードにする案なども検討
されている。来月にも住民を交えた活用委員会を立ち上げ、具体的な計画を
詰めたいという。
高千穂駅(高千穂町)にある列車を日之影温泉駅に運ぶには、2両で約1300万円
の費用がかかる。このため町は、国や県の補助事業も含め、12月議会の補正予算で
経費を盛り込みたい考えだ。
車両基地のある高千穂町も列車2両を譲り受ける考え。高千穂駅を鉄道記念公園と
位置づけ、列車の展示や車庫の見学などを想定。鉄道資料館も検討している。
内倉町長は「ここに鉄道があったことを後世に伝える施設にしたい」と話す。
今月中には公民館長や観光協会などを交えた活用検討委員会を立ち上げ、
計画に住民の声を反映させる。
延岡市は、これから活用策の検討を始める。市内の川水流駅には保守点検車両
「軌道モーターカー」があり、「地域活性化の利用方法がないか、
住民の意見を聞いて、車両を譲り受けるかどうか判断したい」(企画課)という。
一方、あまてらす社は、高千穂線復活支援の「米良美一コンサート」を来月26日、
高千穂駅近くの田んぼで開く。入場料無料で、200万-300万円の経費は鉄道再開に向けて公募した支援金の一部を充てる。高山社長は会見で「(コンサート開催で)
この鉄道の様々な活用方法が花開くのでないか」と開催の意義を強調する。
同社は9日、TRに列車2両や軌道モーターカー、小型保守車両などの譲渡を
申し出た。ただ、TR幹部は「車両をどのように使うのか、事業計画がなければ
譲渡のしようがない」と漏らす。
同社は今年1月、線路を「公園化」し、列車を「遊具」として走らせる鉄道公園化
構想を掲げ、経営断念した旧神話高千穂トロッコ鉄道から経営を引き継いだ。
だが、事業計画について、高山社長は会見で「計画を作ると、がんじがらめになり、
動けなくなる」と説明。コンサート開催が「高千穂線復活の第一歩に
なる」と
訴えている。
ソースは
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000809180003 依頼を受けてたてました。