成田空港の収入を支えている免税ブランド店=写真=の売り上げが鈍っている。
国際線の航空運賃に燃料費の値上がり分を上乗せする燃油特別付加運賃
(サーチャージ)の影響で、夏休みの海外旅行客が減少。さらに、金融不安から
広がる株安の流れが消費者の買い控えを加速させているためだ。
成田国際空港会社によると、7月の国際線旅客数は286万9433人で
対前年同期比6%減。旅客ターミナル内の小売業の総売り上げは約70億円で、
同比5%減だった。8月分は集計中だが、旅客数も売り上げも前年割れは必至と
みられている。特に深刻なのが、バッグなど高額商品を扱う免税ブランド店の
売り上げで、7月の対前年同期比は16%も落ち込んだ。
成田空港では、2006年6月に第1旅客ターミナル南ウイングに、07年4月には
第2旅客ターミナルに、それぞれ免税ブランドモールがオープン。“成田買い”の
PRが奏功し、07年度の両ターミナル内の小売業の総売り上げは前年度比
12%増の約854億円に上った。
成田空港では騒音の低い航空機ほど着陸料を引き下げる制度を導入しており、
最近は航空各社とも環境対策から低騒音機を導入し、着陸料収入が減少。
空港の発着枠にも限りがある中で、小売業の収入は、子会社の連結ベースで
空港収入全体の25%弱を占め、頼みの綱になっている。
ところが、ユーロ高の影響で欧州の有名ブランドが昨年9月から軒並み10%程度の
値上げに踏み切り、日本国内の物価高も影響して、個人消費を冷え込ませている。
第1旅客ターミナルで有名ブランドを扱っている免税店の店員は「最近は購入を
即決するお客様が減っている」と話す。
高級品を扱う各テナントはこれまで、株の運用益で余裕のある“プチ富裕層”と
呼ばれる客をターゲットにしてきた。米国の金融不安による株安傾向が続けば、
そうした客の購買意欲も低下するとの懸念が高まっている。
成田国際空港会社のリテール事業部は「このまま明るい材料が見つからなければ、
右肩上がりだった小売業の売り上げが前年度割れする可能性がある」と、
厳しい見通しを示している。
ソースは
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080918-OYT8T00077.htm 依頼を受けてたてました。