大手レンタカー各社が、利用者をつなぎとめようと、割引策を相次いで導入している。
業界首位のトヨタレンタリースも16日から、ガソリン使用量1リットルあたり20円を
現金で還元する期間限定サービスを始める。ガソリン高が、レンタカー需要にも影響して
いるためで、各社の収益アップにつながるか、注目される。
■ライバルに対抗
トヨタレンタリースのガソリン代還元サービスは9月16日以降、インターネット経由で
ホームページ内の「トヨタレンタ楽ティブ」から予約し、11月30日までにレンタカーを
返却した利用者が対象だ。車を借りた店にガソリンを満タンにして返却した場合が、キャッシュ
バックの対象になる。対象車種はトヨタの34車種だが、クラウンなどの上級車種は対象外と
なっている。
同様のサービスは、業界3位のニッポンレンタカーが9月1日に実施している。ニッポン
レンタカーの還元額は1リットルあたり10円で、トヨタのヴィッツなどのコンパクトカーは、
低燃費で人気があるため、還元サービスの対象外だ。トヨタレンタリースの現金還元は、ライバル
社への対抗策という色彩が強い。
これに対し、業界2位のオリックス自動車は、人気がある低燃費車貸し出しを積極的に進めている。
7月下旬から北海道で、夏のドライブ需要を見込んでトヨタのプリウスやホンダのシビックハイブリッド
などのハイブリッド車の料金(24時間で1万1550円)を約4割引き下げ、コンパクトカーと同水準
にした。当初は8月末までの予定だったが、好評のため、10月末まで対象期間を延長した。このほか、
日産レンタカーも、コンパクトカーを中心とした割引策を拡充している。
■小型車にシフト
ガソリン高で車を使った行楽が避けられる傾向が強まる一方で、レンタカーはマイカーの代替として、
一定の需要はある。ただ、ニッポンレンタカーでは、貸し出し件数は7月までは前年実績を上回っていたが、
長距離ドライブ需要などのかきいれ時だった8月は、前年実績を下回った。料金単価が安い小型車に需要が
シフトし、借りる期間を短くする動きが広がったことなどから、貸し出し1件あたりの収入は前年実績割れ
が続いている。
ガソリン高が続く中で、自衛策を講じる利用者と、需要を確保しようと工夫するレンタカー業界の知恵
比べは、当面続きそうだ。
▽ソース:読売新聞(2008/09/12)
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/ckei080912_1.htm