【コラム/知的財産】「クリエイティブ・コモンズ」のこれまでとこれから[08/09/08]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1西進φ ★
 読者の皆様は「クリエイティブ・コモンズ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
2002年12月にスタンフォード大ロースクールのローレンス・レッシグ教授の提唱に
より米国で始まった、ライセンスの形式を使って著作物のより柔軟な流通を促進
するという運動だ。昨年末に5周年を迎え、日本でも2004年3月に初ライセンスを
リリースしてから、4年以上が過ぎた。

 この運動の当初からボランティアとしてかかわってきた私には、この半年から1年
くらいの間に、クリエイティブ・コモンズの認知度や興味関心が日本でかなり高まっ
てきていることを実感する。その背景には、及ばずながらの地道な普及活動や利用
者の増加に加えて、 Web2.0やCGMといったネット上での新しい著作物の利用形態
の普及が、著作権の権利処理を悩ましいものにし、その結果、著作物利用における
一定のルールを定める、いわば社会インフラとして、このような世界的に標準化され
たライセンスの重要性が日増しに高まってきていることがあるのではないかと思う。

 このような中で、去る7月30日から8月1日にかけ、北海道札幌市にてクリエイティブ・
コモンズの世界会議iSummit'08(アイサミット08)」が開催された。

 世界のクリエイティブ・コモンズ関係者が年に1回、一堂に会して情報交換することが
目的で始まったこの会議は、今年4回目となった。これまでの3回は、ボストン(米国)、
リオデジャネイロ(ブラジル)、ドゥブロブニク(クロアチア)といった都市で開催されて
きたが、いずれも主にクリエイティブ・コモンズに深く関与する人たちが集って専門的
な情報を交換するという、いわば内輪の会議という色彩が非常に強いものであった。

 しかし今回は、創造都市「さっぽろ」の取り組みの一環としての札幌市の全面的な協力
を得て、アジア地区で初めてとなる日本での開催にあたり、クリエイティブ・コモンズ関係
者の方たち以外、例えば地元の市民の皆様や日本で著作権に興味を持っている方たち
にも関心を持っていただけるよう努力した。その結果、世界数十カ国の関係者および著作
権関係者、研究者、ビジネスマン達が約200人集まったほか、札幌市民の参加が約250名、
札幌市以外の日本の参加者が約100名と、従来なかった大規模な会議となり、盛況の
うちに、無事幕を閉じた。

 このコラムでは、クリエイティブ・コモンズのこれまでを振り返りつつ、アイサミットにおいて
行われた今後の展開やデジタル著作権のあり方についての活発な議論を紹介しながら、
クリエイティブ・コモンズのこれからについて考えてみたい。なお、本稿はクリエイティブ・
コモンズ・ジャパン事務局の生貝直人氏と共同で執筆した。

(筆者:野口祐子 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士、
 NPO法人 クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事)

続きは>>2-5あたり

ソース全文:日経ネット
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITs2000008092008

※依頼ありました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1220448487/238
2西進φ ★:2008/09/08(月) 22:40:05 ID:???
クリエイティブ・コモンズの目指すこと

 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下「CCライセンス」)とは、著作権者が自らの
作品である著作物を公表するにあたって、自らの意思に基づき、一定の範囲の利用を
事前に許諾しておく仕組みである。

 ご存じのとおり、著作権法は今から100年以上も前にベルヌ条約という国際条約に
よって基本構造が固められ、その構造が現在まで維持されている法律である。当然の
ことながら19世紀の終わり頃、今日のように大量の著作物がインターネットを飛び交う
ことなど、全く想定できなかった。したがって、著作権は、作品の完成と同時に権利を
登録する必要もなく、世界のほとんどの国で発生し、複製・翻訳・改変・インターネット
上での送信など、今日では人々が日常的に行うようになったさまざまな行為について、
原則、ひとつひとつ許諾をとらなければならない、ということになっている。

  ところが許諾を取ろうにも、権利者がどこにいて、どうやれば許諾をとれるのかが
わかる著作物の方が少ないのである。この点、特許など他の知的財産権では、権利
を得るには、申請・登録という手続きが必要であり、権利者のデータベースが自然に
出来上がっていることと対照的である。また、著作権は、特にインターネットの普及以降、
急速に身近な法律となり、いわば出版・映画・音楽等の「業界法」から「お茶の間法」の
性格を併せ持つようになってしまった。これもまた、いまだにプロ同士の問題にとどまっ
ている特許法などと大きく異なっている。その結果、著作権の権利処理コストは膨大に
なり、今や社会問題となっているといっても過言ではない。当然、許諾を得ていない無断
利用もまた増加しており、権利者と利用者のイタチごっこが繰り広げられる場面も後を
絶たない。企業にとっても、常に頭の痛い問題なのである。 

 この権利処理のコストが非常に高いことが、近年いろいろな文脈で問題になっており、
文化審議会著作権分科会や学会、ビジネスの現場で、様々な改善策が提案・議論され
ていることはご存じのとおりである。

  仮に権利者団体が取り組んでいる著作権管理団体を通じた権利処理の取り組みなど
が、いわばトップダウン的なアプローチであるとするならば、クリエイティブ・コモンズの
取り組みは、ボトムアップで、草の根的に権利処理を進めよう、という動きである。著作物
を見つけて、気に入ったらそれから権利者を探す、という発想を180度転換し、権利者が
自ら、作品を公表するときに、事前に「自由に使ってよい」範囲を意思表示しておき、利用
者は気に入ったら、その事前に許可された範囲内で利用する、という仕組みである。

 CCライセンスでは、一般に権利者が希望すると思われる要件を表示する「表示」「非営利」
「改変禁止」「継承」という4つのマークを定め、これらのマークの組み合わせからなる6種類
のライセンスを提供している。これによって、許諾された範囲なら、一定の条件に従えば、
いわば著作権を心配せず、大手を振って著作物を利用できる環境づくりをしよう、ということ
である。

画像:CCライセンスの4つのマーク
http://it.nikkei.co.jp/photo/aa/MMITs2000008092008_3_0_aa.jpg
3西進φ ★:2008/09/08(月) 22:42:15 ID:???
 2008年現在、日本を含む47の国/地域が、これら6種類のCCライセンスを各国の法律に
準拠した形に整えてリリースしており、CCライセンスのついた著作物は世界で、どんなに少
なく見積もっても1億3000万にのぼり、実際にはもっと多いといわれている。日本でも、少なく
とも数百万個のオーダーでCCライセンスが使われていると考えられる。

 CCライセンスを日本で紹介し始めた2004年、2005年頃は、「日本でCCライセンスのような
試みは本当に必要なのか?」と尋ねられることも多かった。クリエイティブ・コモンズの提唱者
であるローレンス・レッシグ教授が日本の同人誌を見て、「これは米国では不可能だ」と驚いた
ように、日本では、グレーな領域での中で、絶妙なバランスの上に限られた「自由利用」が事
実上認められている事例もある。

 ブログやWeb での他人の著作物の紹介も、厳密な意味では著作権法上の「引用」(32条)に
該当しない事例も多いけれども、事実上、問題とならない場合も多い。それならば、「限られた
範囲での自由利用」なんて、わざわざCCライセンスがなくても実現しているのではないか?
むしろ、グレーな領域に、ライセンスなんていう概念を持ち込むと、従来の絶妙なバランスが
崩れてしまうのではないか?という声も時々寄せられた。日本で当初、CCの注目度が米国や
欧州の国に比べて低かったのには、そうした文化的な事情もあったのかもしれない。

 ところが、そうした「はっきりさせない方がお互いに都合がいいのかも」という日本流「自由利
用」が、特にCGM サービスを始める企業の増加とともに変わってきた。企業は、個人と違って
コンプライアンス上の責任が重い。当然、「まぁ、いいでしょう」では済まされないことになる。
そのなかで、ユーザーにコンテンツを提供してもらい、それをさらにほかのユーザーに加筆・
加工・複製してもらうサービスを考えようとすると、当然、「お互いに自分の著作物の利用を
禁止しあう」という著作権のデフォルトルールではなく、「一定範囲なら自分の著作物の利用を
許諾しあう」というルールがほしい、そのための安心できるツールがほしいということになる訳
である。どうせ使うなら、世界中で互換性が取れて、すでに自由利用コンテンツがある程度
蓄積しているルールを使った方がいい、と考える企業が出てきても不思議ではない。結局、
こうした著作権ルールも、他の技術標準と同じく、お互いのドメインからドメインへの移行を
スムーズにするためのインフラの一つであって、みんなが同じルールを使った方がいろいろと
便利なのである。

 次回は、具体的に札幌でのアイサミットでの議論をご紹介しつつ、今後の展望を考えてみたい。
(了)

画像:マークを組み合わせて使う6種類のライセンス
http://it.nikkei.co.jp/photo/aa/MMITs2000008092008_2_0_aa.jpg
4名刺は切らしておりまして:2008/09/08(月) 22:51:20 ID:SkSUObnt
共有資産として、著作権者と利用者が、
お互いの共存を図って、市場を確保する方法は、
社会的ジレンマ解消のための、
有力な手段。

談合は、必ずしも悪くはない。
5名刺は切らしておりまして:2008/09/08(月) 22:53:07 ID:ZEro0QnJ
6名刺は切らしておりまして:2008/09/08(月) 23:28:02 ID:puV/UHi4
クリエイティブ・コモンズと言えば思い出すのがアンサイクロペディア
GFDLに比べてゆるいな著作権とか誤解されたりもした時期もあったなあ
7名刺は切らしておりまして:2008/09/08(月) 23:31:56 ID:zVxgreqM
リチャード・ストールマン尊師はもうクリエティブ・コモンズを支持していない。
8名刺は切らしておりまして:2008/09/08(月) 23:41:35 ID:eMJ1zX80
クリエイティブという言葉程、クリエイティブから遠いものもねーわな。

恥ずかしくて使う気にもならん言葉ランキング、ネット部門第3位。
ちなみに一位がセカンドライフで、二位がWEB2.0。
9名刺は切らしておりまして:2008/09/10(水) 11:16:02 ID:QWl+G4bg
メディアはweb2.0、エコの次はこれを煽って法人から金をむしり取るんだろうな
10名刺は切らしておりまして:2008/09/10(水) 12:50:34 ID:aAsptT/C
漢字二文字で表そうぜ。
「創諾」か?
11名刺は切らしておりまして:2008/09/10(水) 12:51:53 ID:0BU/ZAYp
Web2.0のウザさは異常だった
12名刺は切らしておりまして:2008/09/11(木) 14:04:01 ID:L5KQOgZl
クリエイティブコモンズをセカンドライフでマッシュアップするのが、web2.0的だと、アルファブロガーが語っているそうです。
13名刺は切らしておりまして:2008/09/11(木) 14:05:48 ID:nkFPRKhq
アルファブロガー(笑)はスイーツ(笑)と逆スイーツ(笑)のどっちの方に近いのでしょうか?
14名刺は切らしておりまして:2008/09/11(木) 14:07:59 ID:L5KQOgZl
羅列の間違いorz。
一字ごとに変換したら、妙な誤字になった。
15名刺は切らしておりまして:2008/09/12(金) 22:01:19 ID:MhUTRc7c
「アンチ逆スイーツもどき」ですな
16名刺は切らしておりまして:2008/09/15(月) 14:26:49 ID:rGpUI2AD
ネットに流れてるエロ本のグラビアにもCCライセンスとな?
17名刺は切らしておりまして:2008/09/16(火) 23:59:36 ID:P8a6c+aD
NHKも採用しろ。
18名刺は切らしておりまして
なんか誰でも創造側につけるようになった分だけ
利潤が低下している気がしないでもない
なんかファミリー居酒屋とか100金みたいだ