【バンコク=古田秀陽】首都バンコクに非常事態宣言が発令されたタイでは、主要産業の
観光に大きな打撃が出始めた。タイ旅行業協会によると、同宣言後、1日の損失は約3億バーツ
(約9億4500百万円)に上るという。
空港が一時閉鎖に追い込まれたプーケットのホテルでは予約の5−3割が解約。
成田−プーケット直行便の乗客は平均して85−50%減。日本だけでなく、韓国や中国の
旅行者からの解約も相次いでいる。
タイ政府観光庁によると、昨年の観光収入は約5477億バーツ(約1兆7253億円)。
観光の最盛期は10、11月。総収入の約4割がこの2カ月で計上される年もあり、関係者は
早期の宣言解除を望む。
一方、日本企業はバンコク以外の生産拠点が多いため、生産活動に大きな影響は出ていない。
だが、自動車メーカーのタイ・トヨタでは「経済停滞で需要が冷え込む可能性がある」と
不安の声も上がっている。
▽News Source TOKYO Web 東京新聞 2008年9月6日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008090602000121.html