赤字102億円 神戸電鉄粟生線
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001413351.shtml 神戸、三木、小野市を結ぶ神戸電鉄粟生(あお)線(鈴蘭台-粟生、二九・二キロ)の
二〇〇七年度の赤字が十二億七千万円に達し、この十年間で約百二億円になることが分かった。
乗客数はピーク時の半分まで減少。同社は「このままでは鉄道の社会的役割を十分に
果たせなくなる」と訴え、沿線住民に乗車を呼び掛ける異例のお願い文書や冊子約四万部を配布。
乗客増のアイデアも募っている。(金井恒幸)
粟生線は一九五二年に全線開通。ピークの九二年度には千四百二十万人が利用したが、
マイカー利用の増加や沿線地域の少子高齢化などで年々減少。〇七年度は七百四十三万人となり、
記録が残る八五年度以降で最低となった。同社は経費削減のため、ワンマン運転や
駅の無人化を進めたが、赤字は〇一年度から毎年十億円を超える水準で推移している。
国や県、小野、三木市などから安全確保のための工事などへの補助金を〇四年度から
受けているが、抜本的な収支改善策は見いだせていない。
同社は八月中旬から、粟生線沿線住民に利用を働き掛けるキャンペーンを実施。
自宅に直接訪問するなどし、社員が乗車をお願いする文書と冊子を配って協力を求めた。
冊子では沿線の観光施設などを紹介する一方で、乗客減少の状況などを説明している。
お願いの文書では、料金受取人払いのはがきを付け、利用増加のアイデアを募る。
同社は「はがきでは『そんなに乗客が減っているのか』という驚きの声とともに
応援の声をたくさんいただいた。頑張りたい」としている。
同社鉄道事業本部TEL078・592・4451