世界の貿易協定作りを目指しジュネーブで 開かれていた世界貿易機関(WTO)の
閣僚会合は29日、決裂したが、世界の 貿易は拡大し続けており、その影響は軽微に
とどまる公算が大きい。
9日間にわたる交渉が決裂した主因は、農産品の輸入が急増した際の特別 セーフガード
(緊急輸入制限措置)の発動条件をめぐり、米国とインドの対立 が解消しなかったことに
ある。交渉担当者や専門家は、閣僚会合の決裂は深刻 な後退であり、金融市場の混乱が
続くなかで、世界経済に打撃を与えるとみて いる。
しかし、世界の貿易自由化は50年の歴史を数え、テクノロジーの発展や2国間貿易協定の
増大なども考慮すれば、そのような見方は大げさと言えるかも しれない。
アメリカン・エンタープライズ・インスティチュートの研究員、クロ ード・バーフィールド氏
は「交渉決裂は短・中期的には貿易量に全く影響を与 えないだろう」と指摘する。
今回の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が始まった2001年11月当 時、世界銀行は
新たな貿易協定で合意が成立すれば、世界経済にとって最大で 年8500億ドル
(約91兆8000億円)もの恩恵があるとの推計を示した。これに 対し、今やWTOは
経済効果を500億?億ドル程度と見積もっているにす ぎず、
世界経済の規模54兆ドルに比べれば、微々たるものだ。
■2国間交渉の重要性
国際通貨基金(IMF)によれば、先進国の工業製品に対する関税率は現 在、平均で5%以下
となっており、1947年当時の40%から大きく低下した。ま た、WTOは4月、世界貿易の
伸び率は今年、4.5%に低下するとの見通しを示 したが、その理由はドーハ・ラウンドの
難航ではなく、「金融市場の混乱」にあ ると指摘していた。
今回の交渉決裂は金融・資本市場にも響いておらず、29日のニューヨーク 株式市場では、
S&P500種株価指数は前日比28.83ポイント(2.3%)上げて1263.20、ダウ工業株
30種平均終値は266.48ドル(2.4%)高の11397.56ドル となった。
米外交評議会のシニアフェロー、ジャグディッシュ・バグワティ氏は「ド ーハ・ラウンドが
うまく行かないようならば、2国間交渉がますます重要にな るだろう」と指摘する。
前回のウルグアイ・ラウンドが合意に達した94年当時、 2国間の自由貿易協定は80を
数えていたが、それ以降、現在までに倍以上に増 えた。WTOは10年までに400に達する
と予測している。
ソースは
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=aLoArF1ckHJI&refer=jp_us 関連スレは
【貿易】WTO決裂 産業界「最悪の結果だ」[08/07/31]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1217471086/l50 依頼を受けてたてました。