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[東京 18日 ロイター] 英大手投資ファンドのコラー・キャピタルは18日、
2007年4月に立ち上げた47億5000万ドル(約5051億円)規模の
第5号ファンドについて、日本での投資分が15-20%を占めるとの見通しを
明らかにした。
同社の水野弘道パートナー兼アジア地区統括責任者はロイターとのインタビューで
「1年前には第5号ファンドの10%程度が日本での投資分になるとみていたが、
今の日本への投資ペースや日本の状況から判断すると、もう少し増えそうだ」と述べ、
対日投資が当初予想を上回るペースで進行するとの予想を示した。
コラーは他のプライベートエクイティ(PE)ファンドや事業会社などが保有する投資案件を
買い取る「セカンダリー・ファンド」の世界最大手。同社は、日本のPE市場が本格的に
立ち上がったのは02-03年で、ファンドがエグジット(投資回収)や戦略変更に伴い
投資案件を売却したり、投資家が流動性確保などのために投資案件を転売したりするケースが
増え、「セカンダリー市場が活発化するのは08-10年」(水野氏)と想定している。
昨年から日本語を使える人員を増やすなど業容拡大に向け着々と準備も進めている。
年金基金など国内機関投資家も約1割を出資している第5号ファンドは、設定後5年間で
投資を行うしくみになっており、今後、コラーによる日本での投資案件が加速する公算が大きい。
<外資系PEが日本撤退へ>
米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題などで損失を抱えた
欧米金融機関が買収案件の融資を抑制している影響で、世界のPE市場は
「新規投資もエグジット(投資回収)もなく、活動停止に陥っている」(水野氏)。
コラーが世界の投資家を対象に2-4月に行った調査では、投資家がPEの期待リターンを
低下させていることが浮き彫りになったが、水野氏は世界の資産デフレを背景に
「PEのリターン低下を認識する投資家は今後さらに増える」とみている。
それでも同氏は、中国やインドなど高い経済成長を期待できるアジア地域への投資意欲は
継続するとみている。ただ、日本については高成長への期待はなく、
「大型案件では買い手が多すぎて買収価格が高くなりがち」なため、割安感も出ていない。
事業会社側の資産売却ニーズも薄れており、「中規模の案件は数も参加者も増えるが、
1000億円を超えるような大型案件はなかなか出にくい状況が続く」とみている。
過去数年の間に米カーライル・グループ、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、
米TPG、英ペルミラなど欧米の大手投資ファンドが相次いで日本市場に参入したが、
実際に案件をまとめられなかったり、案件が成立した場合でも投資先企業の価値を
思うように向上できなかったりと苦戦しているところもある。
これらの状況を踏まえ、水野氏は「外資系ファンドは日本からかなり撤退する」
と予想する。撤退を決めたファンドが投資案件を一括して売却する場合は、コラーとしては
前向きに買収を検討する方針という。
続きます。ソースは
http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPnTK016015820080718 -続きです-
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<個別案件への投資も>
また、水野氏がアドバイザーやボードメンバーを務めるアドバンテッジ・パートナーズ、
MKSパートナーズ、ジャフコ、グロービス・キャピタル・パートナーズなどとともに
個別案件への投資も行う方針。
これらのファンドを通じてコラーは国内で小粒ながら投資実績を積んでいるほか、最近では
創薬ベンチャーのラクオリア創薬(愛知県知多郡)に出資した。米製薬大手ファイザーが
閉鎖を決めた中央研究所の従業員が独立し、エヌ・アイ・エフ SMBCベンチャーズや
コラーなどの投資会社、ファイザーから合計111億円の出資を受けて設立した会社で、
コラーは約4分の1を出資している。
水野氏は「日本でも最終的には欧米と同じモデルのセコンダリー案件をやっていくつもり
だが、日本の市場は独特の発展形態があるので、コラーもそれに合わせて投資していく」
と述べ、欧米では通常行っていない個別案件への出資も続ける方針を示した。
日本での投資拡大をにらみ、水野氏以外に日本語を使える人員を昨年から3人採用したが、
日本を含むアジアでのさらなる事業拡大に向け、シンガポールか香港に拠点を構えることも
検討しているという。
(1ドル=106.34円で換算)
-以上です-
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