【医療】臨床研修で産科、小児科特化も--研修医制度で厚労省方針 [07/18]
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名刺は切らしておりまして:
「研修医が都市部に集中したから変更する」と言うが、以下は都市部だろうか?
★募集どおり研修医を確保している地方病院がある。
単純に大学病院は経営努力が足りず、競り負けているだけ。必ずしも臨床研修医制度が悪いわけではない。
医学生の想いに応えられるような魅力ある研修医本位の研修プログラムを、研修病院側がいかに用意するかが大事。
卒業する以前から、地域の中に触れさせて「この地域いいなぁ」と学生が思えるような取組みが重要。
住民と一緒になって、医療内容や研修内容を考え、自分達の地域を将来担う医者を育てていく。
■富山県黒部市民病院(北陸の一番はずれの病院)
『08年は4倍の応募があった。』新制度が始まる前から、一早く新制度に対応した準備を進めてきた。
研修内容の充実…将来への安心+現在への安心
▼対策1 最新医療機器の導入 →地方病院でも最先端医療を学べるように
▼対策2 アメリカの病院と提携し1ヵ月間の研修ができるプログラム
▼対策3 研修医のための寮を新設 →県外出身者も安心
▼対策4 週に1度、研修医から話を聞く機会を設けた →要望にきめ細かく対応するため。学生は常に気をかけてもらっていると思える
■沖縄県
「臨床研修病院群“群星(むりぶし)沖縄”プロジェクト」…希望すれば複数の病院で研修できる/複数病院協力で不得意分野カバー
『沖縄県外の都道府県出身者が6割強を占める。』地元医学生の県外流出が大問題となった多くの都道府県にとって、沖縄におけるこの現象は大きな衝撃。
▼『1つの病院だけで全ての研修カリキュラムの分野をカバーするのは難しい。不得意分野は別の病院に受け入れてもらいカバー。』
▼選択科目は、病院群中のいずれを選ぶも自由。研修医に選ばれる病院に成長すべく、病院はお互いに競争、切磋琢磨を余儀なくされる。各病院の取り組み方は多彩。研修医は病院ごとに違う世界を見れる。
これがプロジェクトの一つの売り。
▼研修医の処遇は、「研修医」→「嘱託初期研修医(県の非常勤)」として正式な身分を確定し嘱託職員として保障を与えた。身分保障により給料も12万円UP、当直手当も付くことになった。
◆
http://www.okinawa.med.or.jp/old200603/kaihou/200408/pdf/023-033.pdf
>>30 ★医学生と医大のミスマッチ…必ずしも臨床研修医制度が悪いわけではない
『医学生が研修先として民間病院を選ぶのは、大学側が《医学生が医大に残りたくなるような改善=魅力ある研修プログラムと情報提供》をしていないから。』
つまり、単純に大学病院の経営努力が足りず、競り負けているだけ。自分の職業や商売のための投資を怠った。
◆研修医の満足度[厚労省]
▽研修病院…23.9%
▽ 大 学… 4.8%
◆浜松医科大学での学生が行ったアンケート
Q:あなたは浜医に研修医として残りたいと思いますか?(回答 1〜6年生125人)
残りたい …78人
残りたくない…48人
→『4割“も”残りたくない。理由…授業に魅力を感じない。他の病院の方が比較にならないくらい積極的に指導してくれる。』
■シンポジウムでアンケートを行った学生グループは、大学側に「《学生が医大に残りたくなるような改善》はできないか」と問いかけた。しかし、大学と学生の溝は埋まらず。
▽学生「残らないと県内に戻って来させないぞ、と言われるみたいなんですけど、そういったネガティブな強制ではなく、お互いにとっていい道にしたい」
▽大学側「2年間の研修を終われば、3年次(後期研修)に大学ないしは関連病院に戻ってくる率は高い。その辺がどうも学生諸君とギャップがあって、全然理解していない」
★医学部の定員数=人口に対する、県内から輩出する医学生の数
◆静岡県の医師不足は全国最低レベル
静岡県 人口10万人当たりの医師数…169.9人 全国44位
■医学部の定員数
『静岡県は、県内(大学)に残る医学生の数は全国的に見ても多い。』しかし、それでも足りない。それだけ人口と病院数が多いから。つまり、『人口に対する、県内から輩出する医学生の数が少ない』。
◆人口100万人に対する医学部の定員数(2002年)[文科省]
▽ 1位 石川県…169.49人 静岡県の6倍以上
▽45位 静岡県… 26.41人
石川県は人口が118万人と静岡県の半分以下でありながら、『医大が2つあるために、医学部の定員数は静岡県の倍200人。』このため、“より多くの”医学生が石川県内に残る可能性が高い。
>>31 ■臨床研修医制度の狙いによる成果はあった
いろんな病気をもってくるようになると、そういったことに対応が難しくなってくる。
医療事故や医療安全という意味でも、基本的な幅広い診療能力を先ずトレーニングしてから、専門的なトレーニングのコースに入るようにということで変わった。
狙いによる成果はあった。新制度・臨床研修医制度の研修を終えた世代は次のステージに進んでいるが、基本的な診療能力は高くなった。
■臨床研修医制度は必要
医師は専門の事だけをやっていればいいのか。医師の能力不足や医療ミスの多さなどを背景に、医師はもっと総合的な能力を高めないといけない。
■「都市部や大企業に就職したい」という普通の就職と同じで、「都市部やブランド病院に就職したい」のは医学生も同じ。
都市部やブランド病院は、研修のノウハウ=経営努力の蓄積が多い。結果的に大学病院が経営努力を怠り、競り負けているだけ。
この時代はこういう風になったわけなのだから、それに病院や医大も対応していくのは当然。
対応は、自分の職業や商売のための投資である。病院や医大だけ経営努力をしなくてよい理由などない。病院や医大は、計画的に経営をやるべき。
病院や医大は国全体の利益のためなのだから、被害者面するのはおかしい。
かつて、カリフォルニア州で無理と言われた排気ガス規制が課せられたが、自動車メーカーは(反対はしたが施行された以上)被害者なんて言わない。
民間メーカーは自力で、投資金を集めて莫大な金額を投じて乗り越える。病院も大学も独立行政法人化され始めているのだから、企業などから資金を集める経営努力をするべき。
最近でも消費者金融は制度が変わって、やってはいけない事後法適用を司法がやり、収益構造がパー。 補償なんかされない。
>>32 ■バブルはおかしく、高度成長は奇跡だったのだから、
『それによって得られたモノもおかしい』と、なぜ考えられないのか。
▽低い税率、低い窓口負担、年金保険や医療保険での低い保険料率などの優遇措置。高度成長期やバブル時代の老人医療費無料化
▽多過ぎる総合病院や救急病院数(高度成長期に行われた、救急病院の分散+市ごとの総合病院で、医療資源が集約できず分散により、一人当たりの負担が大きい、シフト体制が組めない)
▽日本伝統と言いながら、近年、高度成長期に確立した雇用体系(終身雇用、年功序列、正社員のみの雇用保障、新卒採用主義で一生が決まる大学学歴社会、給与はホワイトカラーの方が多い)
■昔は当たり前だった、医師の往診
生活の場で行われていた医療が、病院へと移り始めたのは高度成長期から。
地域ごとに総合病院が作られた昭和40年代、患者は病院へと集中。さらに、老人医療費の無料化が拍車をかけた。
こうした病院頼みの風潮は、人の死に場所を変えた。
昭和20年代ほとんどが自宅だった看取り(S27:自宅…8割 病院など…1割 その他…1割)は、昭和51年に逆転。今、看取りの8割を医療機関が支えている(07年:病院など…8割 自宅…1割 その他…1割)。
進む高齢化、増大する医療費、国は診療報酬の見直しなどをはかり、在宅医療を進めている。
◆07年の死亡者数…100万人 → 2040年の死亡者数…170万人
この数の8割を病院で看取るのは、実際問題として不可能。
従って、「病院−施設−在宅介護−在宅医療」この4つが連携して包括ケアを実現していく。カギを握るのが在宅医療。
■患者も在宅医療を望む
◆自分が痛みを感じる末期患者となったら…[厚生労働省 03年度アンケート調査]
59%…“自宅で”療養したい(「最後まで」+「入院が必要になるまで」)
33%…なるべく早く“入院”(「行きつけの病院に」+「緩和ケア病棟に」)
>>33 ★医師不足は臨床研修医制度のせいではない
■基本的には、医師不足は、新制度が始まる前から潜在的に続いてきた。
『医療技術が高度化され、必要な医師が増えてきたから。』皮肉なことに、医療技術の高度化が医師不足を生み出している。
■医療の専門化…高度・専門の医療が受けれるようになればなるほど医師不足に
医療は年々、複雑化、専門化している事も医師不足に拍車をかけている。
『入院期間を短くすると、高密度の医療が必要となり、たくさんの医師も必要となる。』
女性医師は増加したが、出産育児で引退。
だからこそ、高度成長期の遺産『一地域一病院』をやめ、『病院の集約化(ヒト・モノ・カネの医療資源を集約)』をする必要がある。
◆「昔は聴診器を当てて診察すれば事足りた内科も、今では、例えば消化器にしても腎臓、肝臓、上から下まで臓器別に、内科だけでも随分な医師が必要。
『医学がどんどん進歩し細部化すれば、全ての病院でフルセットで補う事は難しい』」
by 寺尾俊彦 浜松医大学長
■ずっと医師不足は続いていた。これに、大学の医局に集中している研修医でなんとか対応していただけ。
臨床研修医制度が始まる前から、実質破綻していたのだ。
臨床研修医制度が始まり、学生が大学医局以外の施設にも行くようになり、ギリギリだった大学の研修医が足りなくなっただけの話。
大学病院での研修医不足の原因は、単純に、大学病院が新制度対応への経営努力を怠り、競り負けているだけ。