大阪証券取引所は14日、不適切な会計処理で有価証券報告書を虚偽記載したとして、
二部上場の建設会社「平和奥田」(滋賀県東近江市)を上場廃止にすると発表した。
15日から整理ポストとし、8月15日付で上場廃止する。
平和奥田は、架空の売り上げ計上などに前社長がかかわり、2006年9月期までの
4期分の決算に「不適切な会計処理があり、投資家の判断を誤らせる内容。
会社ぐるみで組織的に行われており、金融市場への重大な影響を与える」(広報グループ)
と判断した。
虚偽記載を理由とした大証での上場廃止はカネボウ、アスキーソリューションズに続き
3社目となる。
平和奥田の決算に疑義があり、大証は平和奥田に訂正を求めていたが、有価証券報告書の
報告が遅れ、同社は今年1月に大証の監理ポストとなっていた。
平和奥田は5月に報告書を再提出、約1億7000万円の違法配当があったことなどを
発表している。
大証の決定について、平和奥田は「メーンバンクの支援は変わらず、
上場廃止になっても経営は存続する」(総務部)としている。
■不況の中、不祥事相次ぐ
大阪証券取引所の上場廃止が決まった中堅建設会社の平和奥田は、バブル崩壊後の
長引く建築不況で、架空の売上高計上や利益水増しに走り、2003年9月期か
ら06年9月期までの決算を虚偽報告していた。受注や取引に有利な上場の維持に
躍起だったが、信用不安を払しょくできなかった。上場廃止後は引き続きメーンバンクの
支援を受け、再生を目指す。
信用不安の発端となったのは、2007年2月に発覚し、同社関係者が関与したとされた
東京都内の土地取引にからむ脅迫事件だった。滋賀県などから指名停止処分を受け、
売上高が落ち込んだ。不動産取引から撤退し、建築工事に専念する体制で再出発した。
しかし、その後も不祥事が追い打ちをかけた。過去の決算に疑義が見つかったため
07年9月期決算の確定が遅れ、同期の有価証券報告書が08年1月の法定期限内に
提出できなかった。このため奧宗嗣社長が07年12月に引責辞任。さらに弁護士らで
つくる第三者委員会の調査結果を受け、08年5月には新経営陣が、06年9月期まで
4期の決算に虚偽が見つかり、違法配当があったと認めた。中嶋定彦社長は
「再びこのような問題を起こさず、社員一丸となって信頼回復に努める」と再起を誓った
が、市場の信用を失った。
大証が05年に決算の虚偽報告で上場廃止したカネボウは、再建中に総額2000億円超の
粉飾決算が明らかになり、主力の事業を切り離した後、解散している。今後、平和奥田は
新たな段階に入る。債務超過解消のために12億円規模の資本注入を計画している
メーンバンクの滋賀銀行は「具体的なことは今後協議するが、上場しているかどうかに
かかわらず、支援する方針に変わりはない」(総合企画部)としている。
ソースは
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008071500026&genre=B1&area=S00 依頼を受けてたてました。