介護保険のケアマネジャーが5年ごとに受講を義務づけられている研修費用の
自己負担額は、都道府県によって07年度でゼロから4万円近くまで大きく開きの
あることが、厚生労働省の調べで分かった。自治体負担もかかる国の公費補助制度が
活用されず、全額自己負担させるところもあった。
ケアマネは、高齢者を支える介護サービス計画(ケアプラン)づくりや主治医との
連携などを担う介護の要。質向上のため06年度から資格が更新制になった。演
習や講義など計53時間の研修(経験者の場合)を5年ごとに受ける。
研修費を補助する国の制度があり、補助額は国と都道府県が折半する。
だが、谷博之参院議員(民主)の指摘で厚労省が今春、ケアマネが更新時に支払う
研修費の自己負担額(07年度)を調べたところ地域差が明らかになった。
富山と群馬は全額公費で賄われ、自己負担はゼロだった。
2県も含めて5千円以下に抑えられていたのは計8県。
だが群馬は08年度から、3万円の負担を求めるようになった。
大阪、千葉、埼玉、神奈川は約3万8千円の自己負担が必要だった。
3万円以上かかるのは10都府県。平均は2万290円だった。
全額自己負担させている大阪府は「更新により利益を得る者(ケアマネ)が費用を
負担するという考え方」(高齢介護室)という。一方、自己負担ゼロの富山県は
「介護の人材確保のため」と手厚い公費負担を説明する。
ケアマネ事業の経営は芳しくなく、ケアマネの収入減にもつながっている。
介護事業者の経営概況調査(07年度)では、主な介護事業の中で最も収益が悪く、
ボーナス込み平均月収は34万8千円と3年前より9%減。
06年度改定で、ケアマネ1人が担当する標準的人数が50人から35人に減らされた
ことなどが原因とみられる。
ケアマネの全国組織、日本介護支援専門員協会の木村隆次会長は
「個人資格なのである程度の自己負担はやむを得ないが、
地域格差は是正されるべきだ。報酬に比べて自己負担が大きいのも問題」としている。
ソースは
http://www.asahi.com/politics/update/0711/TKY200807110352.html