2004年度から義務化された2年間の臨床研修を終えた若手医師のうち、
今春から大学病院や大学院に戻った医師が5割強にとどまったことが、
全国医学部長病院長会議の調査で分かった。
義務化前は7割以上が大学に残っていた。特に四国や東北、中部地方などでは
2-3割台しか戻らず、大学病院の医師不足の大きな原因になっている。
調査は、全国の大学医学部・医科大学計80校でつくる同会議が実施し、
全校から回答を得た。
それによると、2年前の国家試験合格者(防衛医大など一部を除く)のうち、
今年4月から大学に戻ったのは4185人(55・9%)。
義務化前の02年3月に大学を卒業し大学に残った医師の割合(72・1%)に
比べて16・2ポイント減少した。
地域別では、導入前の02年より増えたのは関東地方の82・3%
(02年71・6%)だけ。
四国28・7%(同74・0%)、東北32・7%(同63・0%)、
中部39・1%(同66・4%)、中国39・7%(同73・3%)と
地方では低い割合が目立ち、地域格差の拡大が顕著だった。
新しい臨床研修制度では研修医が研修先を希望でき、大学病院より
研修プログラムが充実し、待遇が良い大都市の民間病院などに集中している。
小川彰会長(岩手医科大学長)は「へき地や地方の医療を担ってきた地方大学の
医師不足で、過疎地医療のサポート体制が崩壊した。臨床研修制度の早急な
見直しが必要だ」と訴えた。
ソースは
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008071102000051.html