ガソリンの値上がりを背景に、低燃費のミニバイク(原動機付き自転車)の
販売や修理が県内で活発になっている。
学生や主婦といったこれまでの客層以外に、自動車通勤のサラリーマンが
乗り換えるケースが急増。
節約はしたいが、自転車ではちょっと遠い−という人が多いようだ。
メーカーや販売店も「財布に優しく、排ガスも少なくてエコ」と売り出している。
「片道約10キロなのでちょうどいい」。
長野市内の会社に自動車通勤していた須坂市在住の男性(28)は5月、
約10万円でミニバイクを買った。
自家用車だと月3回の給油で2万円以上かかったというが、
「乗り換えでガソリン代は月数千円。すぐ元が取れる」。自家用車は休日や雨の日に使うだけという。
長野市街地の販売店では、6月の販売台数が昨年の同じ時期より3割増えた。
中でも、通勤用に買い求めるサラリーマンが増えたという。
「14万円前後の新車が売れ筋。中古車も在庫が入ればすぐ売れる」と
店長の巻島和久さん(42)。
松本市内にある松隈亮さん(34)の店でも、5月の大型連休以降、
ミニバイクに関する問い合わせが急増している。
「まずは『リッターでどのぐらい走るのか』と聞かれる。いままでになかった現象です」
修理も好調だ。長野市の販売店では春以降、中古バイクを持ち込む例が明らかに増えた。
店員の小林亮介さん(34)は「『ずっと車庫に眠っていたが、ガソリンが高くなったから』と
再び使う人が多い」と実感を込める。
こうした状況に、バイクの各メーカーも「ガソリン1リットルで70キロ以上走行可能」
といった低燃費を前面に押し出す。
近距離通勤者に人気の自転車と合わせて、店頭で「ちょいエコ生活を」
などのキャッチコピーを掲げる店も。
大手のヤマハ発動機販売(東京)の広報担当者は
「2輪車の総需要は横ばいか微減が続いている中で、『エコ』は購入者に訴える力がある」
と“エコ需要”に期待している。
ソース
http://www.shinmai.co.jp/news/20080709/KT080708FTI090011000022.htm