★捜査受けたから?落札価格下がった 北海道官製談合
国土交通省北海道開発局(札幌市)による官製談合事件をめぐり、同局農業水産部の幹部経験者3人が
札幌地検に逮捕された5月中旬以降、平均で90%台半ばだった農業土木工事の落札率(予定価格に
対する落札価格の割合)が80%台前半にまで急落していることが8日、分かった。
落札率は100%に近いほど業者の利益が大きくなる。全国市民オンブズマン連絡会議は、落札率が
90%以上の工事について、入札価格が事前に漏れるなどして「談合の疑いがある」、95%以上について
「疑いが極めて強い」という判断基準を設けているが、開発局の工事は強制捜査後に急にこの「疑惑
ライン」を下回った。
北海道開発局の資料によると、農業土木工事の07年度の平均落札率は94.4%。落札率が90%以上の
工事は全体の9割弱、95%以上でも6割強あり、中には予定価格と21万円しか違わない99.8%と
いうものもあった。
ところが強制捜査後は一変し、逮捕当日の5月13日に入札があった用水路工事(予定価格3億4112万円)の
落札率は86.4%に。同15日の排水機場工事、同16日の取水口建設工事はともに84.6%で、同22日の
農業区画整理工事は80.6%まで下がった。
道内の建設業者によると、入札が近づくと、財団法人に再就職した開発局のOB職員と業者に天下りした
OBによるゴルフコンペが頻繁に開かれていた。財団法人のOBが官製談合の連絡役になり、どこが
本命業者か、入札予定価格はいくらかをこの場で伝えていたが、こうしたコンペも、5月半ば以降、急に
開かれなくなったという。
落札率の急落について、北海道開発局広報室は「国交省本省が再発防止の検討委を設けており、個別に
判断していく。現時点ではコメントはできない」としている。
(諸星晃一、天野みすず)2008年7月8日18時55分
http://www.asahi.com/national/update/0708/TKY200807080226.html