★米医療保険株が大幅下落、エトナなどの投資判断引き下げで
[ニューヨーク 3日 ロイター] 米医療保険株は3日、軒並み大幅な下落を記録、
数年ぶりの水準まで下落する銘柄も出た。アナリストによる業界大手のエトナと
ユナイテッドヘルス・グループへの投資判断引き下げが圧迫材料となっており、
業界への悲観的な見通しが広がっている。
ゴールドマン・サックスのアナリスト、Matthew Borsch氏は、医療保険業界は周期的な
下降サイクルに入っており、同業界の利益率は今年以降悪化するだろう、と見ている。
同氏はエトナの投資判断を「ニュートラル」から「セル」へと引き下げた。これを受け
、同社株は、6.66%安。一時は9%の急落で約2年ぶりの安値を付ける場面もあった。
また同氏は、ヘルス・ネットの投資判断も「セル」へと引き下げた。これにより、同社株は
12.05%の急落。一時は15%安で、約4年ぶりの水準まで値を下げた。
時価総額で全米最大規模を誇るユナイテッドヘルス・グループは、8.6%の急落。
一時は5年ぶりの安値となる9.6%安まで下落する場面もあった。UBSのアナリスト、
ジャスティン・レイク氏が、同社の投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に引き下げた
ことが背景。同社は前日、2008年の収益予想を引き下げている。
ウェルポイントは4.6%下落、ヒューマナも3.58%安。
米医療保険大手は、ほぼ各社ともに当初の2008年収益見込みを最近下方修正
しており、同セクターの株価が下落している。モルガン・スタンレーの医療保険株指数は、
2008年に入り43%下落している。
ユナイテッドヘルスは2日、2008年の収益予想を下方修正した。その理由として、
同社は声明の中で、民間医療保険プランの競争激化や、高齢者向け公的医療保険
制度である「メディケア」プランのコスト上昇を挙げている。
前出のUBSのレイク氏は、リサーチノートの中で、ユナイテッドヘルスの発表の中に、
最悪期は脱したと示唆する言葉は「ほとんど見られなかった」と指摘、同社の今後
12カ月の目標株価もあわせて40ドルから28ドルに引き下げた。
シティグループ、クレディ・スイスのアナリストも3日、同様に同社の目標株価を
引き下げている。
同社株は今年に入り、60%下げている。
エトナは業界の流れに反し、当初の2008年の収益見通しを据え置いている。しかし、
前出のゴールドマン・サックスのBorsch氏は、他社と同様に、民間医療保険プランでの
価格競争激化によるマージン圧力から逃れられない、と指摘した。
ソース:Reuters 2008年 07月 4日 13:04 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32581120080704