三菱重工業グループの菱重エステート株式会社など菱興グループ7社は、
OM計画株式会社と共同で、自然エネルギーの新しい利用技術を核にした
次世代型超省エネ住宅の開発をスタートした。
「太陽光発電+パッシブソーラーハイブリッド」と「高蓄熱」、
「ソーラーベンチレーション」という三つの技術開発と、それら技術のシステム化及び
実用化により、標準世帯の平均的使用エネルギーを97%削減するのが目標。
2008年末をめどに、モデルハウスを横浜市内に建設し、四季を通した省エネ性能を、
定量的に実証していく。本プロジェクトは、国土交通省の「平成20年度住宅・建築関連
先導技術開発事業」の補助事業にも指定された。
菱興グループの7社は、菱重エステートのほか、名古屋、近畿、東中国、広島、下関、
西日本の「菱重興産」。OM計画は、太陽熱と空気を用いて暖房・給湯・換気などができる
環境共生技術「OMソーラーシステム」の普及に取り組んでいる。
核となる三つの技術のうち、太陽光発電+パッシブソーラーハイブリッドシステムは、
屋根上に設置した三菱重工製タンデム型太陽電池パネルと、屋根面との間に空気の流路を
確保。流れる空気で太陽電池裏側から熱を回収し、電気と温風を作り出す。熱回収により
1.太陽電池裏面の温度上昇が抑制でき発電効率が落ちない2.回収した太陽熱が居住空間の
暖房や給湯に利用できる?という効果が得られる。太陽光発電と太陽熱回収を複合すること
で、個別にシステムを屋根面に設置する場合と違い、太陽エネルギーの取得効率を最大限に
できる。
高蓄熱技術は、住居床下の地中温度が年間を通して安定していることに着目。夏場には
地熱及びヒートポンプ給湯器の冷排熱利用による「Light Coolingシステム」の構築
で冷房負荷を軽減する。冬場は回収暖気を新床下蓄熱材により蓄熱し、室内暖房に活用する。
ソーラーベンチレーション技術は、屋根頂部に設置したシステムソーラーベンチレーション
ボックスにより、空気の比重差を利用して効果的に自然換気。換気の省エネと健康的な
室内環境を実現する。
開発ではまず、ハイブリッドシステムの有効性、実現性を確認するため部分モデルを製作。
静岡県浜松市のOM計画敷地内で評価試験を実施する。その結果と二次元解析
シミュレーション結果を踏まえ、省エネ効果を最大限に引き出すモデルハウス
「エコスカイハウス(仮称)」の室内温度環境を設計する。
さらにエコスカイハウスでは、二酸化炭素(CO2)を排出しない原子力発電中心の
深夜電力貯蔵を可能とする新蓄電池システムも採用し、実際に平均的な4人家族に生活
してもらい、室内外の温湿度、電力消費量など、四季を通じた年間の省エネデータを取得。
取得データは適宜設計に反映させ、究極的には「光熱費ゼロ」で地球環境にやさしい住宅の
供給につなげていく。国の補助指定を受けて、技術開発の成果は定期的に発表する。
ソースは
http://news.livedoor.com/article/detail/3706802/ 依頼を受けてたてました。