★「会社員の客」狙え 大阪のオフィス街、相次ぎ商業施設
大阪のオフィス街に商業施設が相次ぎ登場している。5月には淀屋橋や中之島周辺に新たな商業ゾーンが
誕生し、10月には西梅田に高層商業ビルがオープンする。会社員に的を絞ったオフィス街ならではの
「大人の買い物客」を呼び込む動きが大阪で目立っている。
御堂筋に面したオフィスビルに5月下旬に開業した「淀屋橋odona」(オドナ、大阪市中央区)には関西初の
高級ファッションブランドや飲食店など32店が入った。日中はランチに訪れる会社員、週末はブランド店で
買い物を楽しむ女性客でにぎわう。
オドナは「驚き」と「大人」を合わせた造語。購買力の高い会社員がターゲットで、運営企業は「高価格帯の
商品が好調だ。会社員が多い淀屋橋で『大人の買い物ゾーン』として定着させたい」(三井不動産)と
ミドル層の掘り起こしを図る。
近くの福島区の堂島川沿いでは商業施設とオフィスが集まる複合地域「ほたるまち」が5月上旬に開業した。
梅田と中之島の中間に位置する地域で、淀屋橋のビジネス街への回遊性が高まり、歩いて買い物が
楽しめるようになった。
さらに、西梅田ではサンケイビルが高さ175メートルの「ブリーゼタワー」を建設。有名ブランドの旗艦店など
60店が入って10月にオープンする予定で、同社は「30代後半をメーンとする高級感のあふれる施設で
『大人の町』で注目を集める西梅田でショッピングの幅が広がる」(西梅田商業チーム)としている。
これらの動きに共通するキーワードは「大人の町」だ。梅田や難波など繁華街に集まる若者に加え、
平日からオフィス街を往来している会社員が買い物を楽しめる場所づくりが新たな顧客を獲得する
カギとなっているようだ。
10月に開業する京阪中之島線の効果で「淀屋橋や中之島周辺など沿線のオフィス街の魅力が高まる」
(関西財界関係者)という。京阪電鉄も中之島に高層商業ビル建設を表明しており、沿線の商業施設は
さらに増えると予測される。大阪中心部のオフィス街での商業開発は、JR大阪駅前での百貨店の進出や
改装と並び、今後も注目されそうだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2008/06/27/P2008062700049.jpg オフィス街に開業した「淀屋橋odona」。多くの会社員でにぎわいをみせている(大阪市中央区)
Kyoto Shimbun 2008年6月27日(金)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008062700049